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【神社新報コラム】神宮たより~神域の桜 今も昔も~

投稿日:2020年5月20日(水)


今日は、東京港開港記念日です。昭和16年(1941年)のこの日に、東京港の芝浦・竹芝両埠頭が完成し、外国貿易港として開港指定を受けました。横浜港の開港記念日は、安政6年(1859年)6月2日です。安政7年には、桜田門外の変や江戸城の火災などの災異により元号の改元が行われました。また、横浜港開港記念日一周年には近くの弁天様のお祭りが、開港記念日(6月2日)に以後変更されたりと色々な変化があったようです。横浜市の小中学生は、6月2日に学校がお休みになるそうです。権禰宜の新久田です。

さて、神社界唯一の業界紙である『神社新報』令和2年4月6日号掲載のコラム「神宮たより」を御紹介致します。

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【神域の桜 昔も今も】

四月初旬のこの時期、宇治橋中央から眺望する神路山には新緑に萌える山並のあちこちにまばらに山桜の薄桃色が混じり、一年で唯一この時にしか味はへない不思議な景観を演出してゐる。

宮域には山桜が多いが、宇治橋近辺の桜の品種を紹介す ると、すぐ左手に白い花弁の桜が見られる。品種は「狩衣(かりぎぬ)」。さらに進み橋の央ばに至ると、左前方に「染井吉野」が望める。 宇治橋東詰から神宮司庁に向かふ坂の大山祇神社と子安神社前の右手に淡紅色で艶やかに咲くのは「衣通姫(そとほり)」の近縁種で、左を仰ぎ見ると白く咲く大きな木が、山梨県に親木のある江戸彼岸 (通称神代桜)である。 今日、神宮では数種の品種の桜が献木されてゐるので、熱海桜ほかの桜たちが少しづつ時期を変へて咲くためか、春のかなり長い期間、参拝者の目の保養ともなってゐる。

それでは古い時代の神域でも桜の立木は見られたのであらうか。鎌倉草創期にあたる建久三年(一一九二)に当時の権禰宜・荒木田 (井面) 忠仲が撰録した『皇太神宮年中行事』(『建 久年中行事』ともいふ)二月十二日条に「饗土二本桜ノ下ヲ経テ津長ニ参」とあり、宇治橋鳥居手前の松塚周辺一帯を当 時は饗土と称し、中世以前は二株の桜に象徴する饗土は、内宮と津長とを結ぶ神事河原であったことがわかる。

今日内宮五丈殿と忌火屋殿前庭との間の石畳に大宮地の境界を護る四至神(みやのめぐりのかみ)がお祀りされてゐる。この四至神の後方に椎と杉の木で囲まれた小さな築山があり、近代を迎へるまでこの地所には桜宮が祀られてゐた。寛政九年(一 七九七) に部関月(しとみかんげつ)が描いた『伊勢参宮名所図会』にも原築山の位置に「さくら宮」の表記が見られる。『皇太神宮年中行事』正月十一日句神拜事条に「桜宮神拝」の記載があることから、桜宮は古代末期にはすでに存在してゐたと考へられる。南北朝時代の医僧坂十仏(さかじゅうぶつ)は『伊勢太神宮参詣記』で桜宮について「御殿もなし。只一本の桜を神体とすとうけたまはり」と述べてゐるので、もともと殿舎はなく、桜そのものが神木であった。いつしか桜木もなくなり、築山だけが残った。「このやうに近世以前と今日では桜の立木の様相は随分異なるが、桜は昔も今も変はらず、日本人の心の癒やしとなってゐることに変はりなからう。


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