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【神社新報コラム】杜に想ふ~日本書紀~

投稿日:2020年5月16日(土)


【暦で見る九星の運勢シリーズ】二黒土星:6月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…北東 集中力が高まり良い運気に恵まれるので大いにチャンスを掴んでください。長い間片付かなかった問題もやっと動き出すので、焦らず、丁寧に歩んで。粘り強さが吉意増す。」とのことです…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙である『神社新報』令和2年4月6日号掲載のコラム「杜に想ふ」を御紹介致します。

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【日本書紀】

「立皇嗣の礼」を御皇室の弥栄を願ひ心待ちにしてゐる。歴史上記録のある立太子の礼は奈良時代前期で、定例化は奈良時代末期からといふ。平安初期の『貞観儀式』では立太 子の礼にあたる「立皇太子儀」は、紫宸殿前庭に並ぶ親王らの前で誰を皇太子にするかの詔を読みあげる儀式であったといふ。十世紀初めの醍醐天皇の時代からは「壺切御剣(つぼきりのぎょけん)」がその地位の印として授け続けられ、平成三年の立太子の礼でも授けられてゐる。

それにしても、昨年十月二十二日の即位礼正殿の儀から約半年が過ぎたとの春だが、あの日の美しい奇蹟は忘れられない。私は宮中に国内外の参列者約二千人とともに激しい雨を見ながら座ってゐたが、天皇屋下が高御座で御即位を宣明されようとするまさにその時、雨は止み、輝く光が宮中を照らし、鳥が 舞ひ立ち、虹がかかった。一同は息をのみ、私は思はずつたない歌を胸の中で詠んでしまった。空開け鳥舞立ちて高らかに御即位宣明 大和いやさか一まるで天岩戸開きのやうだと思ひ、鳥は高御座の鳳凰だったのかと思はれた。「立皇嗣の礼」も、大和いやさかを深く思ふ。さて、今年は『日本書紀』編纂千三百年である。全三十巻からなる日本書紀は、万葉仮名で記されてゐる『古事記』三巻とは違ひ漢文である。表現に難しい部分も多く、各国語での翻訳がある古事記とは異なり、日本書紀は英、仏、独語ともに不完全な訳しかないととは残念でならない。先月、自民党の文化立国調査会の場で國學院大學の平藤喜久子教授と国会議員らと日本書紀の勉強をした折も、日本の国柄や信仰、道徳、美意識などの原点を知るためにも国内外の人々にもっと日本書紀を知ってほしいと声があがった。日本書紀には天照大神の下された三大神勅 「天壌無窮の神勅」「宝鏡奉斎の神勅」「斎庭稲穂の神勅」や、神武天皇の「橿原奠都の詔」が記されてゐる。一人一人を大切にする国、徳のある国、家族のやうに睦まじくある国づくりを建国の理念とし、そのことが百二十六 代天皇の現今も日本人の心の底に刻まれてゐることを感じるのは誇りである。聖徳太子の十七条の憲法も日本書紀にある。「和なるを以て貴しとし、竹ふること無きを宗とせよ……上和ぎ、下睦びて、事を論(あげつら)ふに諧(かな)ふときは、事理(こと)自づからに通ふ」に始まる十七条は、日本人の人間観、世界観、組織論、美意識などの源となってゐる。仁德天皇の「民のかまど」の話、大祓詞も日本書紀にある。

かうしたことが、国内外に理解されることこそグローバリゼーションの時代にあって、良き方向への指針となるのではなからうか。せめて日本書紀の完全英語訳作成だけでも早く実現したく、活動していきたい。

(著:参議院議員・神道政治連盟国会議員懇談会副幹事長 山谷えり子氏)

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