ホーム » ブログ » 伊勢神宮崇敬会だより『みもすそ』~特集 平成の伊勢行幸啓~

伊勢神宮崇敬会だより『みもすそ』~特集 平成の伊勢行幸啓~

投稿日:2019年7月10日(水)


今日はなっ(7)とう(10)の語呂合わせで納豆の日。納豆の語源は、寺院の出納事務を行う「納所(なっしょ)」で作られたことに由来する説が有力とされています。納豆は泡が白くなるまでずっとかき混ぜる派です…権禰宜の佐藤です。

さて、伊勢神宮崇敬会発行の冊子『みもすそ』令和元年夏号の特集記事「平成の伊勢行幸啓」をご紹介致します。

みもすそ 表紙

みもすそ1

平成が終り、令和の時代を迎えました。

御即位から三十年間、国民と共に歩まれてきた上皇陛下と上皇后陛下は本年四月、御譲位の御奉告に来勢されました。

平成に感謝を込めて在位中五度の伊勢行幸啓を振り返ります。

三十年余り続いた平成が幕を下ろし、 本年五月一日から令和に入りました。

昭和天皇の崩御により五十五歳で天皇に御即位された上皇陛下は在位中、世界の平和や国民の幸せを願う気持ちをあらわされ、上皇后陛下とともに広島や長崎、沖縄と被災地を訪れては平安の祈りを捧げてこられました。

三重県への御訪問は、皇太子時代を含めると十四回を数えます。皇太子として初の公式参拝をされたのが昭和二十七年 のこと。民間から初めてお迎えになられた皇太子妃、美智子さまとの御結婚の御奉告(三十四年)にも神宮を御参拝され ました。三重国体(五十年)、豊かな海 づくり大会(五十九年)など、来県のたびに神宮を御参拝されています。

両陛下お揃いでの伊勢行幸啓は五回。平成二年の即位礼及び大嘗祭後、神宮に親謁の儀が最初で、次が第六十一回神宮式年遷宮後の六年。十三年の地方事情御視察の御参拝、第六十二回神宮式年遷宮後の二十六年、そして本年四月の御譲位の御奉告です。

今号では神宮より提供いただいた貴重な写真とともに、上皇・上皇后両陛下の伊勢行幸啓を振り返りましょう。

【御即位の御奉告は馬車で】

昭和六十四年一月七日、昭和天皇の崩御により幕を開けた平成。神宮では同日、神職たちが皇居に向かって深い祈りを捧げました。

新たに御即位された天皇陛下(当時)は平成二年十一月二十七日、皇祖神をおまつりする神宮に皇位継承に関する祭儀が無事に終了したことを御奉告する「親謁の儀」に臨まれました。前日は雨の降る中、天皇・皇后両陛下をひと目見ようと近鉄宇治山田駅前に多くの市民が詰めかけ、万歳三唱で出迎えました。

親謁の儀は、外宮から始まりました。午前十時過ぎ、天皇陛下をお乗せした二 頭立ての馬車が、神職に先導され侍従を従えて正宮へ進まれました。お召し物は「即位礼」の時と同じ束帯(黄櫨染御袍=こうろぜんのごほう)。陛下は、正宮の板垣南御門で馬車をお降りになると、三種の神器の剣と璽(じ=まがたま)を捧げ持つ侍従とともに正宮の中へ。秋篠宮殿下、高円宮殿下も御列に従われていましたが、正殿の階段を上り拝礼されたのは陛下おひとりでした。

天皇陛下が斎館に戻られると、つづいて皇后陛下が親謁の儀に臨まれました。皇后陛下の乗られた馬車も二頭立て。お召し物は五つ衣に唐衣の、いわゆる十二単の正装です。

両陛下は翌二十八日、内宮で同様の儀に臨まれ、その日の午後に帰京の途につかれました。

みもすそ2

【二度の式年遷宮後に御参拝】

二十年に一度、古例のままに社殿や御装束神宝を新しくし、大御神に新宮へお 遷りいただく神宮式年遷宮。

両陛下は、平成六年と平成二十六年、 遷宮が執り行われた年の翌春に神宮を御参拝されています。

第六十一回神宮式年遷宮後の平成六年三月、両陛下は宇治山田駅前で日の丸の旗を手にした市民の歓迎を受け、御料車で内宮行在所へ向かわれました。

陛下のおそばには、皇位のみしるしである剣と璽を携える侍従がつき従います。三種の神器は、ふだんは宮中に安置されていますが、天皇陛下の神宮御参拝にかぎり剣と璽が皇居外に持ち出され、陛下の御列に加えられるのです。

三月二十九日、両陛下は朝から外宮を御参拝され、午後に内宮へ。最初にモーニング姿の天皇陛下が、続いて象牙色の参拝服姿の皇后陛下が正宮を御参拝され ました。

「古木の茂る中に建てられた白木の宮居の崇高さに深く心を打たれました」

侍従を通して伝えられた天皇陛下の御感想です。

それから二十年後の平成二十六年三月、両陛下は再び遷宮後の輝かしい神宮を御参拝されました。この折の伊勢滞在は四日間。三月二十五日の午後二時半、臨時専用列車「しまかぜ」にて近鉄宇治山田駅へ到着された両陛下は、内宮行在所へ。陛下の実姉である池田厚子神宮祭主や、神宮の神職らに迎えられ、そのまま御斎戒の夜を過ごされました。

翌二十六日は朝から外宮、午後から内宮を御参拝。二十七日は、外宮勾玉池畔に建てられた神宮の博物館「せんぐう館」と、明和町にある「斎宮歴史博物館」を御観覧され、伊勢でゆっくりとお過ごし になられました。

【沿道の人々に手を振りつづけ】

平成二十八年、譲位の意向を表明され た天皇陛下。最後の地方訪問は本年四月、神宮へ御譲位を御奉告するために伊勢を訪れられました。「天皇の譲位は約二百年ぶりのことであり、天皇陛下が御譲位の御奉告に神宮を訪れるのは歴史上初めてのこと。今回が在位中最後の来勢となる両陛下に感謝の気持ちを伝えたいと、県内外から多くの 市民が伊勢に押し寄せました。

みもすそ3

四月十七日、東京発の新幹線で名古屋駅に到着、近鉄の臨時専用列車「しまかぜ」に乗り換えられた両陛下は、雨の降る中、何時間も前から宇治山田駅前で待ちつづけていた市民の熱烈な歓迎を受けました。両陛下のおすがたに接し、目をうるませる女性の姿も。

両陛下のおそばには、剣と璽を収めた黒いケースを携えた二人の侍従が。御料車にて内宮へ向かう道すがら、両陛下は沿道で傘をさして待つ人々に笑顔で手を振りつづけられました。

十八日午前十時、両陛下は御料車で内宮行在所を御出発。午前中に外宮、つづいて内宮で、御譲位に伴う儀式のひとつ「神宮に親謁の儀」に臨まれました。

この日の神宮は一般参拝を一時停止。モーニング姿の天皇陛下が、剣と璽を捧げ持つ侍従を前後に正殿までお進みになり、玉串を捧げて拝礼されました。つづいて、白い参拝服姿の皇后陛下が拝礼。儀式には両陛下の長女で、平成二十九年より神宮祭主を務められる黒田清子さんも立ち会い、両陛下の玉串は祭主を通じて供えられました。

両陛下はその後、志摩市賢島のホテルに移動され、この日が誕生日の黒田神宮祭主らと夕食を共にされたといいます。そして翌十九日、東京へお戻りになられました。

「明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここにわが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」

四月三十日、天皇として最後の御言葉です。

天皇としての公務に励むとともに三人のお子さまを手元で育て、新たな皇室像を示された上皇、上皇后両陛下。平成が戦争のない平和な時代で終わりを迎えられたのは、両陛下の御尽力あってのことだと国民は理解していることでしょう。

平成に感謝を、令和に躍進と平安を祈念するべく、心新たに神宮をお参りされてはいかがでしょうか。」

平成26年の天皇皇后両陛下ご参宮の折に、藤沢市氏子総代会主催の参宮旅行に参加しており、内宮に向かわれる両陛下の御列を沿道から拝することができました。

下部リンクはその時の当ブログ記事です。

藤沢市氏子総代会 参宮旅行2日目

 


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
ぜひ早起きした朝やお休みの日にでも、お気軽に当社にお越しください。皆様のご参拝を心よりお待ちしております。