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【新聞記事より①】 「30年11月に大嘗祭(だいじょうさい) 「生前退位」来年中に法整備へ」

投稿日:2016年10月16日(日)


夏以来「生前退位」という言葉が新聞・テレビを中心に各メディアであたりまえのように使用されるようになっていますが、もともと「譲位」というそのものずばりを表す言葉があるにも関わらず、なぜ新しく「生前退位」という語をつくってそれを流布するのか・・・何か期するところがあるのでしょうか?権禰宜の遠藤です。

さて、産経新聞の平成28年10月16日(日)付朝刊一面大見出しに「30年11月に大嘗祭」と掲載され、目を引きました。

普段一般紙の全国紙に「大嘗祭」という言葉が見出しで載る事がない為、見出しを見ただけでは何のことかわからない方もおられるかと思いますので、記事の内容に入る前に大嘗祭について少しご紹介します。

大嘗祭(だいじょうさい)は、天皇の皇位継承には様々な儀式が行われますが、大嘗祭はその中でも非常に重要視されてきました。

毎年11月23日に行われる新嘗祭(にいなめさい)という祭典があります。その年の新穀・収穫を神さまに感謝するお祭りで、神社に於ける祭典でも最も重要なものの一つです。大嘗祭は、天皇の即位後初めて行われる新嘗祭で、一世に一度だけ行われます。京都以西と以東両地方の耕作田で獲れた新穀を、宮中にて天皇自ら神饌(しんせん=神さまへのお供え物)として奉り、自らも食されます。

歴史的には戦国時代に一時中断があったものの、江戸時代には再興。明治42年の登極令(とうきょくれい=戦前に天皇の践祚即位礼その他に関して規定された皇室令。昭和22年廃止)で近代の定型が決められています。現行憲法下で初めての平成2年の大嘗祭も、ほぼこれを目安として行われました。

産経新聞 大嘗祭

「【産経新聞 平成28年10月16日(日)付朝刊】

<30年11月に大嘗祭 ~「生前退位」来年中に法整備へ 「お気持ち」にじむ節目~>

天皇陛下の「お気持ち」ご表明を受け、政府は、天皇陛下から皇太子さまへの皇位継承に伴う重要な儀礼である「大嘗祭」(だいじょうさい)を平成30年11月に執り行う方向で検討に入った。準備に1年近くかかるため、来年(29年)の通常国会で皇室典範改正を含む法整備を行わねば間に合わなくなる。17日に始まる有識者会議でも論点の一つとなる見通し。

<皇位継承後 初の新嘗祭(にいなめさい)>

天皇陛下は8月8日に公表された「お気持ち」のビデオメッセージで「2年後には平成30年を迎えます」などと語り、在位30年を節目としての「生前退位」をにじませられた。

退位に伴う皇太子さまへの皇位継承で最も重要となる大嘗祭は、天皇が即位後初めて行う新嘗祭を指す。その中心的儀礼である「大嘗宮の儀」では、天皇が「悠紀殿」(ゆきでん)と「主基殿」(すきでん)で自ら新穀を供え、神々とともに食し、五穀豊穣に感謝するとともに、、国家・国民の安寧を祈念する。これにより「神格」を得て完全な天皇になるとされる。

この前に行われる「即位の礼」は、皇位継承を内外に示す国事行為で、外国王室の戴冠式にあたる。

大嘗祭の時期は、戦前に皇位継承に関する法令を定めた「登極令」(昭和22年廃止)に「即位ノ礼及大嘗祭ハ秋冬ノ間ニ於テ之ヲ行フ」とある。天皇陛下が平成2年11月22、23両日に大嘗祭を執り行った際も登極令を踏襲された。

大嘗祭を行うには、新穀を育てる特別の水田(斎田)2カ所を準備する必要があり、同じ年の2~3月に亀卜(きぼく=亀甲を用いた占い)で斎田を決める「点定の儀」が行われる。

斎田は京都以東から「悠紀田」(ゆきでん)を、京都以西から「主基田」(すきでん)をそれぞれ選定する。平成の大嘗祭では、悠紀田が秋田県五城目町で、主基田は大分県玖珠町で選ばれた。

天皇崩御を受けて、皇太子が即位する際は、崩御直後に三種の神器を受け取って即位(践祚=せんそ)し、1年間喪に服す。即位の礼や大嘗祭の準備を進めるのは喪が明けた後となる。このため、大正天皇の即位の礼と大嘗祭が営まれたのは大正4年11月、昭和天皇の礼と大嘗祭が営まれたのは昭和3年11月だった。

現行の皇室典範は連合国軍総司令部(GHQ)占領下の昭和22年、大幅に改竄(かいざん)され、皇室の主要儀礼は憲法20条(政教分離)に抵触するとして国家から切り離された。

このため、平成の即位の礼に際し、海部俊樹内閣(当時)は平成元年12月の閣議口頭了解で、大嘗祭を「皇室の長い伝統を受け継いだ、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式」としながらも、国事行為ではなく皇室行事とする見解を示した。大嘗祭の費用も皇室活動に伴う公的経費「宮廷費」から支出された。

宮内庁によると、平成2年11月12日に皇居で行われた「即位礼正殿の儀」には、約160か国の祝賀使節を含め内外から2480人(うち外国人474人)が参列した。

大嘗祭では22日の「悠紀殿供饌(ゆきでんぐせん)の儀」には727人、23日の「主基殿供饌(すきでんぐせん)の儀」には520人が参集した。」

記事の冒頭でも触れましたが、新嘗祭は毎年11月23日に行われている新穀感謝の祭典で、宮中はもとより全国の神社で行われています。

11月23日の「勤労感謝の日」も「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」とされていますが、本来は新嘗祭の日、つまり祝日ではなく祭日にあたります。


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