投稿日:2019年9月14日(土)
【神道百言44】
『天皇、八尺瓊(やさかに)の勾(まが)れるが如くに、曲妙(たへ)に御宇(みよしろしめ)せ。
且(ま)た白銅鏡(ますみのかがみ)の如くに、分明(あきらか)に山河海原を看行(みそなは)せ。乃ち是の十握剣(とつかのつるぎ)を提(とりひさ)げて平(む)けたまへとまをす』~日本書紀仲哀天皇巻~
(三種の神器の徳を、古来、如何に見て来たか。最も古い解釈がここに挙げた解釈である。
八尺瓊勾玉については、玉は円満に融通無礙(ゆうずうむげ)な心掛けを示したものとする。
白銅鏡(ますみのかがみ)については、総てのものを分明にし明らかに見ることをいつてゐる。
十握劔(とつかのつるぎ)については、これを提(ひつさ)げて天下を平(む)けること、すべてのものを平らげる、天下の悪を討つことを、その持ち味としてゐるといへる。
即ち
鏡はすべてのものを明らかに見ること
玉はすべてに円満、融通無礙なること
劔は天下の諸悪を討ち平らげること
この三徳が少くとも日本書紀編纂当時(天武天皇から元正天皇に至る)の三種神器観であつたといへよう。
≪日本書紀は元正天皇の養老4年(720)に舎人親王・太安麿等の編纂して撰進した我が国最初の国史書である。≫
1.300年以上も前から天皇(統治者)の心構えが変わっていないということに感動を覚えます。宮司です。
さて毎年曜日に関係なく9月9日は、鎌倉市極楽寺に鎮座されます熊野新宮の例祭・鎌倉神楽が行われお手伝いに伺いました。
(毎年9月8日は曜日に関係なく葉山町 森戸大明神の例祭ですので2日続けてお手伝いになるのですが、本年9月8日が日曜日となり、兼務社(羽鳥・折戸)の例祭と重なったため欠席致しました。尚、羽鳥・折戸の例祭は9月の第一日曜日となっておりますが、本年は1日が第一日曜日のため第二日曜日に行われました。古来からの例祭日は羽鳥 御霊神社が9月6日、折戸 日枝神社が9月4日となっております。)
前日には台風15号が直撃し、県内に限らず関東地方に大きな被害がありましたのでお祭りの執行が危ぶまれましたが、「神社関係者全員、家の掃除を後回しにして朝から神社の掃除をして準備しました!」との熱い想いを受け、私も神社の掃除を切り上げて極楽寺へ向かいました。
尚、熊野新宮は坂ノ下 御霊神社宮司の兼務社で、同じく兼務社の佐助稲荷が倒木により本殿が全壊されたとのことで、宮司さんは憔悴されたご様子でした。一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。
祭典は午後2時から鎌倉横須賀三浦連合支部より鶴岡八幡宮神職が参列、引き続き鎌倉神楽が行われ、小さなお子さんも参加され賑やかに執り行われました。
同社は総代さんのお心遣いが細やかで、参加された方々にはお手製の矢(お守りとして)や絵馬・お菓子などが授与されていましたし、終了後の直会では「美味しい日本酒準備しときましたから!」(車で参りまして申し訳ございませんでした)、「自家製の漬物です!」「これはお土産です!」などなど、大変恐縮致しました。
神職が常駐していない神社でこれだけのお祭りが出来るということは、氏子さんが神社を大切に大切にされている証だと、神職として大変有難く感じました。
今後も神社益々繁栄されますと共に、氏子区域が平穏無事でありますように祈念申し上げます。おめでとうございました!ご馳走様でした!!