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神社新報コラム 神宮だより『祝詞の浄書』

投稿日:2022年10月25日(火)


出仕の本山です。神主出仕となってから、筆で文字を書くことが多くなりました。筆でなくても別に字が上手いわけでもないので、これでいいのだろうか?字が上手くなるコツはあるのか?いつも考えています。バランスや筆ならではの勢いも大切だし。まだまだ新米出仕は日々研鑽です。

今回の神宮だより『祝詞の浄書』の記事は伊勢神宮にご奉仕なさっている祝詞を書く大切な役目の神職さんのお話。年に五百三十本もの祝詞を書かれるそうです。

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祝詞の浄書

神宮では年間千五百回を超える祭典が御奉仕され、そのうち正宮以下の恒例祭典はおよそ六百回にも及びますが、そのすべての祭典で奏上される祝詞を祭儀部儀式課員が分担して浄書致します。

両正宮の祭典は上席権禰宜が、両第一別宮は次席権禰宜が、別宮は二人の宮掌が、摂社・末社の祝詞及びすべての祭典の祓詞は出仕が、といふ分担によりそれぞれ心をこめて浄書します。

行間は均等になってゐるか、文字の割付けはまっすぐにバランス良く書けてゐるか、文字は間違ってゐないか、そもそも、あまり上手ではない自分の字が本当に相応しいのだらうか、などとさまざま考へつつ、一筆一筆丁寧に浄書。

一つの祝詞を書き終へると何度も見直し、さらに複数の目での確認を経て斎館に届けられ、無事に祝詞が奏上されて祭典が終はると再び儀式課に戻されて焼却処分となります。

先の分担を少し詳しく申し上げると、一人の出仕が浄書する祝詞と祓詞の総数は年間およそ五百三十にもなりますので、毎日一本づつ浄書しても追ひつかないほどの数です。しかし他の誰かに手伝ってもらふといふことは許されませんので、大事な祝詞を任されてゐるといふ責任感を胸に、参籠や宿直の夜などは休憩時間を削り、寝る間を惜しんでひたすら祝詞用紙と向き合ひます。

大きな責任と重圧を伴ひ、また多くの時間と労力を要することから、かなり過酷な役割ではありますが、麗しい祭典奉仕のためには欠くことのできない大切な御奉仕です。(総務部・井面健)

 

 


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