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【神社新報コラム】杜に想うふ~アメリカの「国学」研究~ と 今日のフジ

投稿日:2018年4月19日(木)


今日は爽やかな風に藤の花の房がそよいでいます。藤の花を見にお詣りされるかたも多いです…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成30年2月26日号のコラム「杜に想ふ」を御紹介致します。

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「【杜に想ふ】~アメリカの「国学」研究~

筆者が所属するハーバード大学ライシャワー研究所では、楽器中の毎週金曜日の午後にジャパン・フォーラムといふ公開討論会を開催してゐる。このフォーラムに招かれる講師は、ライシャワー研究所の研究員をはじめ、他の大学や研究機関に所属する日本研究者たちである。
その専門は歴史学や日本文学、文化人類学、宗教学等ひじょうに多岐に亙り、多彩な発表がおこなはれてゐる。そして、このフォーラムは一九七四年(昭和四十九年)から続く長い伝統を誇るものであるため、アメリカの日本研究者間のネットワーク形成に大きく貢献して来たものである。
さて先日、このフォーラムで筆者の友人である日本文学の研究者が国学に関する発表を行った。そのタイトルは、「新しい世界の神話・十八世紀日本の言語と哲学」(Myth for a New World:Language and Philology in 18th Eentury Japan)といふものである。内容をかいつまんで説明すると、垂加神道を批判した吉見幸和の研究や河村秀根の『書紀集解』等に触れた上で、本居宣長が西洋天文学を受容しながら仏教的世界観を批判していく歴史的展開を説明したものである。
このテーマを選択した理由には、アメリカにおける研究状況が、国学を近代日本のナショナリズムの先駆けとして評価する側面が強いことを批判する意図があったさうである。そのためこの友人は、国学の学術的な側面を強調することに重きを置いて発表をおこなってゐたやうに思ふ。
かうした発表や議論を見てゐて少し驚かされたのは、発表の中で出てきた『日本書紀』や「垂加神道」が、それを基礎的な専門用語とする日本宗教史や日本文学専攻の研究者以外にはあまり知られてゐなかったといふ事実である。確かにそれを専門としない人にとっては、神道や国学に関する基礎的な専門用語を知らなくても仕方ない。ただ、このことはアメリカにおける神道や国学に関する研究が、そもそもさほど活潑ではないことを反映してゐるやうに思はれるのである。
実際、筆者が参加した限りこのフォーラムにおいて、神道や国学に特化したやうな発表がおこなはれたことはほとんどなかったこともさう思はせる理由である。そのためこの発表は、神道や国学に特化したものとして、かなり珍しかったと思ふ。
どちらかといふと日本仏教研究が盛んなアメリカにおいて、かうした神道・国学に関はる研究が、宗教史だけではなく日本文学研究においても進められてゐることには心強いものがあらう。そして今後、アメリカにおいて神道や国学に対する関心を高めていくためにはどうすれば良いのか、考へさせられる機会ともなった。」

【今日のフジ】
▽義経藤(白藤)
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▽弁慶藤(紫藤)
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白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
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