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【神社新報コラム】杜に想ふ~歳占~

投稿日:2022年3月19日(土)


【暦で見る九星の運勢シリーズ】四緑木星:令和4年4月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…東・南東・西 良い運気ではないので気を付けて歩んで。物事がとまる恐れあり。今は前進する事よりも、退守して余力を蓄え、次に備えるように努力する事が良策。英気を養い時を待って」とのことです…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙であります、『神社新報』令和4年1月31日号掲載のコラム「杜に想ふ~歳占~」をご紹介致します。

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杜に想ふ

【杜に想ふ~歳占~】

「初詣で、「おみくじ」(神籤)を抽いて帰る人が多い。今年がよい年でありますやうに、と「歳占」の一例にほかならない。もっとも簡略化した歳占といへようか。
伝統的な神事としての歳占には「粥占」や「餅占」がある。その年の農作の豊凶を占ふのだ。
粥占は、粥のなかに月の数だけの竹管を立て、そのなかに入った粥の量の多少によって月別や作付け別の豊作を占ふ法がもっとも一般的であった。また、黴のつき方によって占ふ法もみられた。餅占も、それに準じるものであった。
小正月にかけておこなはれた事例が多い。村ごとに、家ごとにもおこなはれてゐた、といふ(柳田國男監修『民俗学辞典』)。現在に伝はるのは、主として彌彦神社(新潟県)・諏訪大社(長野県)・枚岡神社(大阪府)など神社の神事としてのそれである。
白米を焚いた白粥や小豆粥を神聖なものと見立てての神事であることは、いふをまたない。
私の郷里の吉備高原上の神社では、湯立て神事のなかで「米占」を伝へるところがある。私の本務社もさうである。私も、祖父から教はったそれをおこなふ。
これは、小正月の行事ではない。氏神の秋季大祭でおこなふところもあるし、産土荒神の例祭でおこなふところもある。しかし、そこで、向う一年間の豊凶を占ふのである。
占ひを外にもらすな氏人よ 貴重の御久米をさづけとらさん
煮えたぎった湯のなかに硬貨を十二枚(十二カ月分)撒く。カラカラと音が鳴る。そこに白米を撒き加へる。一握り、また一握り。それから、右のやうな神楽歌(三首)を唱へながら、先を斜にとばした竹の幣軸で米粒をすくひとる。それを笏の上に置く。三度くりかへし、三カ所に米粒を置くのである。
その米粒が偶数あはせ(二カ所以上)なら吉兆とする。奇数あはせなら捨てて、また神楽歌を歌ひながらやり直す。「さび直しは三度まで」。ここで偶数を吉兆とするのは、近世以前の陰陽道の行者系の占法であらう。
さうした歳占を、冷ややかに見る人もゐる。古くさい迷信、と一笑にふす人もゐる。それでだらうか、廃絶したものも少なくない。とくに、呪術的なものは伝承者が絶えがちである。
しかし、伝はってきたからには絶やすわけにはいかない。それには、それをおこなふ神職や巫女の器量がためされるであらう。その作法や声魂が研ぎすまされていかなくてはなるまい。それによって、自身の雑念が落ちてくる。いひかへれば、役者や声楽家と同じやうに、どれだけ見る人聞く人を引きずりこむことができるかがためされてゐるのだ。私は、体験をもってさう思ふ。
あだやおろそかにできない「歳占」なのである。(民俗学者、岡山・宇佐八幡神社宮司)」

R4厄年表


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