投稿日:2018年5月28日(月)
昨日、午後いっぱい境内の藤棚の手入れを行いました。ずっと上を向いて剪定をしていたので、肩こりが…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成30年3月12日号掲載のコラム「神宮だより」を御紹介致します。
「【神宮だより~御園祭】
毎年三月の春分の日、神宮御園において御園祭が執りおこなはれます。神宮神田他で斎行される神宮御料関係祭典と同じく神嘗祭の附属の祭典として御奉仕してをります。
神宮御料地の一つである神宮御園では自給自足を旨とし、神嘗祭をはじめとする恒例祭・常典御饌(日別朝夕大御饌祭)等において神饌御料として神様に奉奠される野菜や果物を日々栽培してをります。神饌御料はひじょうに尊く大切なものであり、祭典で奉奠に関はる御奉仕をする場合や神饌調理に際しては必ず参籠をしなければならず、参籠をしてゐない者は御物に少しも触れることは許されません。この神饌御料としての野菜・果物を丹精込めて栽培してゐるのが神宮の御園であります。他の御料地と同じくこれから先もその使命を全うしていかなくてはならない、まさに神宮奉護の一翼を担ってゐる重要な場所の一つであると申せませう。
現在根菜や葉物野菜・種々の果物類が約五十品目栽培されてをります。しかしながら一年を通じ安定的に栽培・生産し続けることは容易な事ではありません。常典御饌では季節の旬の野菜・果物を奉奠しますが、恒例祭では神饌の品目がすべて定められてをりますので祭典の時期や気候に鑑み栽培育成方法を的確に判断し、大きさや数量を必ず用意せねばなりません。台風や予期せぬ長雨、日照り、雪害等近年の異常気象下ではその対応に苦慮することも多々あります。そのやうな事が少しでも緩和されるやう我々も切に願ひながら、豊かな稔り、神宮の御園だけでなく広く農業の発展、農業に従事する人々の健康や安全を祈念し御園祭を御奉仕申し上げてをります。」