投稿日:2020年8月26日(水)
【暦で見る九星の運勢シリーズ】七赤金星:9月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…北西 少しずつ着実に上昇していくから、きちんと計画を立てて行動してください。目先の欲に迷って求め過ぎると、総てがまとまらず中途半端になる暗示あり。目標を定めそれに向かって」とのことです…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙である『神社新報』令和2年8月24日号掲載のコラム「神宮だより」を御紹介致します。
【神宮だより~御鏡の調製~】
「せんぐう館の第四展示室では現在、御装束神宝の一つである御鏡の調製工程品を展示してるます。
御装束神宝としての御鏡は式年遷宮で総数三十一面が奉製され、皇大神宮とその別宮は円形、豊受大神宮とその別宮は八花崎形(やつはなざき=八稜形)を調製する例となってゐます。
鋳型を作ることから始まる御鏡の調製。まづ土や川砂などを混ぜて真土(まね)の型を作ります。この真土型に木型と呼ばれる器具を取り付けて、それを回転させることで鏡の縁や錘の形を挽いて鋳型のおほよその形が作られます。
次に鏡の背面に文様を描く「箆押し(へらおし)」といふ工程。これは挽き上げ直後の鋳型に花鳥文様が描かれた吉野紙を貼り付け、その上から文様の線に沿って箆で押して、形を陰刻して鋳型が完成します。
鋳型は最後に炭火で焼き締められ、原料である銅・錫・銀を合はせた白銅の熔湯(ようとう)を流し込みます。鋳型を冷ました後に打ち壊し、鏡を取り出して最終工程へ。取り出された鏡は鑢(やすり)・砥石・朴炭(ほほずみ)で磨き、梅酢で表面の油分を除去し、次に錫アマルガムを塗って加熱し、水銀を蒸発させて錫が定着した鏡を磨くことで曇りのない鏡面に仕上がります。完成した鏡の鈕には緋角八組(ひのかくやつぐみ)の緒を付けて、綾入帷(あやいりのかたびら)で包んだ上で轆轤箱(ろくろばこ)に納めます。
御装束神宝の御鏡は、私たちが使ふ鏡とは違ひ、鏡背に刻まれた瑞鳥牡丹(ずいちょうぼたん)の華麗な文様に表れた稜線の冴えに職人の優れた技を見ることができます。外宮参拝の折にはせんぐう館にお立ち寄りいただき、石や土などの自然物から一つの御鏡が完成するまでの職人の技による美を感じてみては如何でせうか。」