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伊勢神宮崇敬会 発行【みもすそ 第100号】 特集「御師の継承」②

投稿日:2021年10月18日(月)


昨日はいきなり寒くなりましたね。午前中との気温差が大きすぎて、出先では着るもので調整するのも難しかった人も多かったと思います。初宮詣・七五三詣でにお越しの方には体調不良等で延期される場合は当日で結構ですので遠慮なくお申し出ください…権禰宜の遠藤です。

先日に続き、伊勢神宮崇敬会発行の『みもすそ』99号(令和3年夏)より、特集「清めの五十鈴川」を御紹介致します。

前回の記事はこちら

みもすそ100

みもすそ100③

みもすそ100④

[御師の終焉]

このような活動の展開によって江戸時代後期には全国の約九割にも及ぶ家々に伊勢の御祓大麻が祭られ、度々起こった御蔭参りや抜け参りといった爆発的な参宮の大波も御師の活動があればこそだったのでしょう。

しかし、幕末から明治にかけて日本社会は大きな改新を遂げます。その断行のためには旧来の制度を一旦断絶せざるを得ませんでした。神宮の制度もまた大改革を強いられます。神宮祭主から末端の神主に至るまで神宮の奉仕者はその世襲を廃止され、新たに国家の官吏としての神官が任用されることになりました。

これに伴い永く続いた伊勢の御師も歴史から消え去ることとなりました。明治四年、今から150年前の事です。

[御師の継承]

日本の国家制度を一新し、「神社の儀は国家の宗祀にて一人一家の私有にすべきに非ざるは勿論の事に候」と発令した政府にとって御師の廃止は当然の事でしたが、それまで御師の恩恵に浴してきた多くの国民は困惑します。鎌倉時代以来、信仰の拠り所としてきた御師の大麻や祈祷などはもう受けられなくなるのかという不安は大きかったようです。「そういった多くの国民の信仰上の要望を受け、新体制となった神宮が域内に祈祷所を設けて祈祷を行い、大麻の授与も継続することとなりました。この祈祷所が現在の神楽殿となり、御祓大麻は授与大麻という新たな体裁の大麻として今日も受けることができます。

鎌倉時代から続く御師の御祓大麻は、明治の御改正でその名称や体裁は変わりましたが、参拝に際しての祈願に応じて神徳を得るための大麻という趣旨・性格は御師時代から変わらず新たな授与大麻に継承されました。授与大麻の正式名称に「角祓」「剣祓」「守祓」など「祓」の名を負うのは前時代に「千度御祓」「剣祓」「守祓」などと称されていた御祓大麻の趣旨・性格を継承したものであることを明らかに示しています。

御師の活動は先にご紹介したように様々なものがありました。

そのうちの①神宮神徳の宣揚普及、②国民の祈願に応じた祈祷、③御祓大麻の授与、④伊勢暦の授与、については明治以降の神宮によって直接行われる事となりましたが、残る⑤伊勢産物の贈答、⑥参宮者の宿泊接遇、③参宮の案内、については神宮に継承されるものではなく、一般観光地同様に地元の事業者に委ねられることとなりました。

[伊勢神宮崇敬会の役割]

伊勢神宮崇敬会の始まりは昭和28年という新しいものですが、その設立以来、①神宮神徳の宣揚普及を促進するとともに、引伊勢産物の贈答、参宮者の宿泊接遇、③参宮の案内、といった御師が展開したおもてなしの営みを真心こめて行っています。

「今回で第100号となりましたこの『みもすそ』がその一端をお伝えし、多くの皆様の神宮への崇敬の懸け橋となれるよう、今後も精進して参ります。」


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