投稿日:2025年2月17日(月)
節分で子どもたちが撒いた豆も鳥たちがすっかり食べて、きれいになりました。現金な鳩たちは餌がなくなった途端に見かけなくなりましたが、境内にはムクドリやメジロなど様々な鳥が集まります。お参りの際は是非探してみてください……権禰宜の牧野です。
さて、本日2月17日は全国の神社で「祈年祭(きねんさい)」が行われています。この祈年祭は「としごいのまつり」とも言い、その年の五穀豊穣を祈願するお祭りで、11月23日に行われる、新嘗祭(にいなめさい 1年の収穫を感謝する)と対を為すお祭りです。(※白旗神社では秋祭りとして10月28日に行い、湯立神楽を奉納しています。)
当社でも、朝から祭典を執り行い、五穀の豊穣と産業の振興を祈念申し上げました。
五穀豊穣をもたらす山の神は、春になると山から降りてきて「田の神」となり、農作業を見守り、秋の収穫が終わるとまた山に帰っていく神様です。この春の祭りには、山の神の神迎えという意味もあります。相対する秋の祭りには、田の神の神送り等の神事が残っています。
「祈年祭」は、年を祈る祭りですが、「年」とは 穀物(稲)を意味します。(穀物は、年に1回実る事から、転じて穀物の成熟すること、もしくは穀物そのもの)
すなわち、稲穂を蒔く季節の初めにあたって、その豊穣を祈願するわけですから、言い換えると、人間の生命の糧(かて)を恵んでくださるようにとお祈りするお祭りです。したがって、一粒の米にも神さまの御霊(みたま)が宿ると考えられているのです。祈年祭では、稲だけでなく五穀の豊穣と国の繁栄、そして皇室の安泰や国民の幸福なども祈願されます。この日は、宮中の賢所(かしこどころ)においても祭典が行われ、天皇が御親拝になられます。
皆様ご存じの通り、日本人は農耕民族です。昔はお米一粒でも残せば叱られたものです。今年はお米の価格も一時はかなり高騰しました。農家の方々が心を込めて作った作物を、農家の方・神様に感謝しながら食して頂ければと思います。