投稿日:2023年8月7日(月)
神奈川県では多くの花火大会が開催されているようです。当ブログをご覧の皆さんは今夏は見に行かれたでしょうか?
私は先日、茅ヶ崎まで見に行きました。未だに余韻が抜けぬ出仕の宇多です。
さて、毎年神社新報社より発行されております『むすひ』の令和6年版が当社に届きましたので、当ブログで複数回に分けて共有いたします。今回は「神社の森」です。
木々の種類や境内の広さなど、地域の風土や歴史によってさまざまな姿を見せる「鎮守の森」。奈良時代に作られた『万葉集』にも「木綿(ゆう)懸けて、斎(いつ)くこの神社(もり)、越えぬべく、思ほゆるかも、恋の繁きに」―など、多様な情景が詠まれてきました。緑の減少している現代社会にあっては、人々の憩いの場、貴重な生き物の宝庫ともなっています。
例えば、京都市左京区・賀茂御祖(かもみおや)神社(下鴨神社)の境内には、広大な緑が広がっています。その名も「糺(ただす)の森」。古代の樹林を構成していた樹種が自生しているといわれており、奈良・平安時代より数々の詩歌管弦に歌われ、物語にも描かれてきました。約12万平方メートルの敷地にはケヤキやエノキ、ムクノキなどの広葉樹を中心に、樹齢600年から200年にかけての木々約600本が自生し、貴重な森とされています。
もちろん、こうした緑は伊勢神宮にも。伊勢市の約4分の1を占める神宮の森は、東京・世田谷区とほぼ同じ広さです。樹齢数百年ともいわれる巨木が繁るほか、動物約2800種、鳥類約140種、魚類・水生生物約130種、植物約850種が確認されており、伊勢志摩地方の自然のままの生態系が残っています。
いま、世界の陸と海それぞれの3割以上について、そこに住む生き物を含めて保護し、守っていこうという国際的な目標が掲げられています。「30by30」(サーティ・バイ・サーティ)というこの目標には、日本も合意。人間の営みによって結果的に自然が守られているような地域を見直す動きも始まっています。
こうした地域の想定範囲には神社の森も。先祖から大切にしてきた私たちの鎮守の森が、世界的な流れのなかでも注目されています。