投稿日:2025年6月28日(土)
私の通例となりました、「入梅イワシのなめろうを作ってビールと飲む」というミッションが未達成。西日本各地で梅雨明けとなった現在、タイムリミットが迫ってきております。できればイワシは鮮魚店で仕入れたいけど土日は閉まっていることに頭を抱える権禰宜の宇多です。
さて、斯界唯一の業界紙『神社新報』令和7年5月5日号より、「神宮だより」の紹介です。
白鶏の生調
「風薫る五月の頃、神域の新緑も瑞々しく、爽やかな季節となりました。大型連休中、全国各地から大勢の参拝者を迎へ、社頭は連日たいへんな賑はひを呈してをります。
さて、去る五月二日、遷宮諸祭の嚆矢である山口祭・木本祭が斎行されました。山口祭・木本祭における特色の一つとして、古くからの伝統で神饌とともに生きた白鶏と鶏卵が奉奠されます。参進の際、白鶏は伏籠につがひで収められ、小工が捧持して祭場へと向かひます。
式年遷宮に関係する諸祭のうち、山口祭・木本祭・御杣始祭・御船代祭・鎮地祭・心御柱奉建・後鎮祭には白鶏と鶏卵がお供へされます。式次第中に「物忌宮掌忌物神饌及鶏卵ヲ奠ス」とあり、祝詞では「(前略)……白鶏乃生調尓鶏乃卵乎取竝倍……云々」と奏上。平安時代の『皇太神宮儀式帳』や『延喜式』にも「鶏」「鶏卵」が供へられることが記されてをり、脈々とその伝統が現在にまで受け継がれてきたことが窺へます。
白鶏は、鶏種は京都府を原産地とする「小国鶏」で、昭和十六年に天然記念物に指定された鶏です。古くから日本人の日常生活のなかで馴染みのある鶏であり、晴朗な鳴声と長い尾が特徴的で気品が漂ひます。式年遷宮の「遷御の儀」には鶏鳴三声といふ所作もあり、鶏は神宮でも特別な神饌です。
(総務部・阿竹健二)」