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【神社新報記事 「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~」和歌山縣護國神社】

投稿日:2025年10月3日(金)


「最近なにか”いいこと”あった?」と聞かれても「ない」と答えてしまうような一か月あまりを過ごしていました。しかし、意を決して実家の神社のInstagramアカウントを作ってみたら、チョット”いいこと”がポツポツと増えたように感じます。先日は藤沢市内で綺麗な虹(しかもダブル)が架かりましたね!因果関係はないですが、何かしらのアクションを起こせば景色が変わることを実感した権禰宜の宇多です。

 

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和7年7月21日号掲載の連載記事。「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~」をご紹介致します。

全国の護国神社の宮司さん方が連載する企画で、本年令和7年に大東亜戦争終戦より80年を迎えるにあたり神社新報に継続的に連載されます。

当社が鎮座する神奈川県は、47都道府県で唯一護國神社がありません。各県護國神社にお祀りされている英霊のことについて、当ブログをご覧の皆様に少しでも知っていただく意味でも、できる限りご紹介していきたいと存じます。

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全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~

童顔好人物の生きた証に触れて

和歌山縣護國神社宮司 林 純弘

童顔好人物の生きた証に触れて

「大正十三年四月十三日、父・敬之、母・貞子のもとに川口武男命は生まれた。すくすくと育ち、小学校五年生の時の学芸会では因幡の白兎を助ける大国主命を好演。その姿を父はたいへん喜び、大黒さんを家の商標として「大黒屋」を名乗るほどだったといふ。心優しき大国主命を演じた武男命もきっと優しき人だったのだらう。

よく勉強をしてゐて、中学では英数が得意だったさう。担任の先生にも認められてをり、大学進学を強く勧められたといふ。しかし家には財力がなく断念。海軍兵学校に通ひ、軍人としての道を歩むこととなった。

昭和十九年に卒業したのち、五月には駆逐艦・玉波に乗艦。シンガポール・マニラ間で重油等を運ぶ特設輸送船・旭東丸の護衛といふ任務を帯びてゐた珠並みだったが、七月七日、マニラ湾西方において敵艦の魚雷により沈没する。乗組員二百七十六人全員が命を落とした。武男命はまだ二十歳だった。

玉波の乗組員全員戦死の報に接した武男命の母は、家の奥に駆け込むと大声をあげて泣き、父は黙して感情を殺してゐたといふ……どんなにつらい瞬間だっただらうか。

海軍兵学校で同じ第七十三期だった山口裕一郎氏は追悼文集に「明眸皓歯、童顔の好人物」と武男命のことを綴る。かつて行動をともにしてゐたときのことを「当時はお互に自分の職務を果すことで精一杯の毎日で、能代(軍艦)などで顔を合せても、『ではまた』と別れるだけであった」と振り返る山口氏。そして「今はただ君の元気なお顔を想起する。『オー』と又眼の前に現れるとしか思われない」と締め括られてゐた。友との再会を果たせなかった悲痛な思ひが滲む。

……と、ここまで書き進めてきたが、当社は遺族のお参りがほとんどない。今回は、武男命の御遺族の格別な御高配により資料を提供いただくに至ったが、普段は、かつての和歌山陸軍墓地の場所に建つ和歌山県忠霊塔に遺族は集ひ、戦歿者の資料も多くはそこが保管してゐる。当社は祭祀の厳修のみで、命日祭の参列もほとんどないのが現状だ。

他の護国神社とは様相を異にしてゐるが、さうしたなかでも、予て英霊祭祀をどう繋いでいけばよいのか考へ続けてきた。戦後八十年といふ歳月が過ぎた今、再開したいと思案してゐるのが境内に建つ少年飛行兵の碑「空」、歩兵第二百三十連隊の碑「魂」、歩兵第六十一連隊「鎮魂」の碑、満蒙開拓青少年義勇軍顕彰等での祭典。とくに「あゝ予科練」の碑には、現在でも毎年のやうに参拝に訪れてくださる方がゐる。さうした心を持つ方を大切にしていけるお社でありたい。

 

和歌山縣護國神社

住所 和歌山市1番丁3

電話 073-425-2911

祭神 三万六千六百七十柱

例祭 五月五日・十月五日」

 


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
ぜひ早起きした朝やお休みの日にでも、お気軽に当社にお越しください。皆様のご参拝を心よりお待ちしております。