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【神社新報記事】神宮だより~神宮実習~

投稿日:2024年8月20日(火)


行きつけのスーパーに珍しく「カメノテ」が売ってありました。ホヤやマテガイ等、見た目や味に賛否の分かれる食材はだいたい好んで食べている権禰宜の宇多です。

 

さて、本日は神社界唯一の業界紙であります『神社新報』コラムより、「神宮実習」について紹介です。

「神宮実習」は、われわれ神職の階位「明階」の取得に必要な実習のうちの一つであります。

私、宇多は2年ほど前、当時國學院大學4年生の頃に修了いたしました。神社本庁で皇學館大學の学生(彼らはオンライン参加)と共に事前講義を受け、次に実際に神宮で実習・・・の予定でしたが、事前講義の最中に肝心の実習が中止が宣告されました。4日間、神社本庁で講義を受けただけで修了してしまうという、私にとっては不完全燃焼な神宮実習であったことを思い出しました。

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【本文】

夏の日差しが一段と力強さを増すこの時期、神都伊勢の地には國學院大學、皇學館大学等から神職を志す多くの実習生が集ひ、内宮の門前町「おはらひ町」の中ほどにある神宮道場にて神宮実習がおこなはれてゐます。本年は八月五日から九月七日まで計四期に分かれて実習がおこなはれます。

令和二年以来、新型コロナウイルス感染症の影響や神宮道場の耐震補強工事により、会場の変更や日程の短縮など、通常とは異なる形でおこなってをりましたが、五年ぶりに神宮道場に宿泊しておこなふ形に復しました。この実習の期間中、実習生は神宮道場にて規則正しい共同生活を送りながら、神宮についての基礎知識、神職としての心得等を学びます。

毎朝五時に起床、点呼の後食事等を済ませると、実習生たちはそれぞれ内宮・外宮の各実習先へと向かひます。早朝の参道を白衣白袴に身を包んだ実習生たちが、列を乱すことなく整然と正宮へ向かふさまは、伊勢の夏の風物詩とも言へるでせう。

斎館実習では、日別朝夕大御饌祭りの奉拝や、正宮をはじめ別宮、摂末社などの清掃奉仕をおこなひ、神楽殿では神宮の御神楽や神楽殿の沿革について説明を受けた後、実際に授与所に出てお神札・お守りの授与や、参拝者への応対などを学びます。

午後、神宮道場へ戻ってからは、神宮祭祀や祭式、式年遷宮、社殿造営や神宝調製、神宮大麻、斎戒・禊などについての講義がおこなはれ、神宮に関するさまざまな知識、教養を身につけます。

この他、内宮夜間参拝や神田、御園をはじめとする御料地施設の見学、宮域林での実習、五十鈴川での禊など、体験を通して神宮をよりよく理解してもらふための内容が、六日間の実習のなかにさまざま盛り込まれてゐます。

短い期間ではありますが、この実習を通じて学び、感じ取ったことを糧として、将来彼らが斯界を担う力となり、大いに活躍してくれることを願ってやみません。

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