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みもすそ 令和8年夏季号より

投稿日:2026年7月30日(木)


来年もお木曳奉仕の話も持ち上がりつつあります。来年はお留守番かな…権禰宜の本山です。

清々しい表紙の伊勢神宮崇敬会だより「みもすそ」の令和8年夏季号が届きました。

第六十三回の式年遷宮に向けたお祭が昨年から始まりました。今年は御造営用の中心となる重要な木材が運ばれるお祭りが次々と行われています。

みもすそ表紙

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​第六十三回神宮式年遷宮に向けた御木曳初式と木造始祭が、四月に両正宮と十四別宮で執り行われました。
​ 御木曳とは、旧神領民が御造営用材を内宮領へはソリで川曳き、外宮領へは奉曳車による陸曳(おかび)きで運び入れる行事。令和八年と翌年の初夏から夏に盛大に行われますが、その前に両正宮と十四別宮の重要な御用材(役木(やくぎ)を、それぞれの宮域へ曳き入れるのが御木曳初式(役木曳)。いわば御用材の搬入始めです。
 いっぽう木造始祭は、御木曳初式により奉曳された役木の前で小工(こだくみ)が大工道具を扱い、美わしい御造営を祈る神事で、木取り始めの儀式と言えましょう。
​御木曳初式(四月十二日・十三日)
​ 内宮領の御木曳初式は四月十二日に行われました。内宮へ川曳される役木は、御正宮が三本、荒祭宮、風日祈宮が各一本。御木の直径は約四〇 cm で、長さは御正宮が約六 m、別宮は約五 m です。
 奉曳を担うのは旧神領の内宮領に居住の人たち。午前七時に神宮から各奉曳団に御木を引き渡されると、それぞれソリに奉載して綱を掛け、木遣(きや)り歌を披露の後、法螺貝の合図で浦田橋下手を出発。エンヤ、エンヤの掛け声も勇ましく、五台のソリが五十鈴川を遡っていきます。

宇治橋を潜ったソリは、造営庁職員と小工が奉迎する御手洗場にいったん引き揚げられた後、参道を曳かれて五丈殿前へ。三本の役木がソリから降ろされると、久邇朝尊(くにあさたか)造営庁総裁(大宮司)以下神職らが御正宮へ拝礼に向かいました。

​ ソリを曳けない荒祭宮へは階段を、風日祈宮へは風日祈橋を担いで奉搬され、それぞれ新御敷地へ奉安されました。

​ 午後からは月読宮へ、月読荒御魂宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈弥宮と合わせて四本の役木が、倭姫宮にも一本が陸路をソリ曳で奉搬され、伊勢から遠く離れた伊雑宮と瀧原宮でも同日、地元奉曳団により御木曳車で役木が奉搬されました。

​ 外宮領の奉曳は翌十三日。役木は御正宮が三本、多賀宮、土宮、風宮と、域外の月夜見宮が各一本で、外宮領のうち決められた地区の旧神領民によって奉曳されます。

出発点は度会橋上手の宮川畔。前日に神宮から各奉曳団に引き渡された役木は、ひとまずソリに載せられ、しばし宮川を曳かれてから、堤の「どんでん場」を越えて各団の奉曳車に載せられます。海路で運ばれた昔を再現するとともに、御木を清め、水を切る儀式です。

​ 御木を藁でくるみ、縄で固定して注連縄(しめなわ)を掛け、屋台や幕、幟(のぼり)で奉曳車を飾り立てたら、木遣り子の采を合図にエンヤーッと出発。途中で木遣り歌や踊りを披露しながら、約三時間かけて外宮までの道中二㎞を賑やかに奉曳します。

​ 北御門に到着したら、皆で万歳三唱。奉曳車の飾りを外し、帽子や鉢巻をとると、火除橋(ひよけばし)から先は私語禁止。静かな参道には、ブオーンと法螺貝の音のような奉曳車のワン鳴りだけが響きます。御正宮の三本が五丈殿に、別宮の役木もそれぞれの新御敷地へ無事奉搬されました。

​木造始祭(四月二十一日)

​ 御正殿の美わしい御造営を祈る木造始祭が、四月二十一日の午前に内宮、午後に外宮で行われました。
午前七時に始まった内宮の祭儀は、雨儀(うぎ)となりました。開始を告げる報鼓(ほうこ)が参道を通り過ぎると、久邇総裁以下祭員が第二鳥居に列立し、お祓いを受けます。
​ 年中の恒例祭典と違うのは、斎服の神職とともに、物忌(ものいみ)と称される童男童女と、素襖(すおう)に烏帽子(えぼし)姿の小工らが参列していること。遷宮祭典ならではの風景です。
祭員一行は御正宮へ参拝して八度拝(最もていねいな拝礼)の後、参道脇の遥拝所から荒祭宮へも八度拝します。その後、小工や忌鍛冶(いみかじ)を除く祭員は五丈殿に着座し、饗膳(きょうぜん)の儀へ。
 祭典に際し、海山の佳肴(かこう)と酒を奉仕者に饗する行事で、一人ずつ順番に清酒が注がれていきます。
 饗膳が終わると、神宮式年造営庁の参事や技官、小工らが忌火屋殿(いみびやでん)前に進み、辛櫃(からひつ)に納められた神饌(しんせん)とともに祓い清めを受けて五丈殿前の祭場へ。総裁以下神職は、すでに参列しています。
​ 御木曳初式により奉搬された三本の御用料木は、両木口が白く化粧され、それぞれの前に大工道具の手斧(ちょうな)、鋸(のこぎり)、墨壺(すみつぼ)、差金(さしがね)が備えられています。
​ 屋船大神(やふねのおおかみ)(建築の守護神)に神饌が捧げられ、御正殿が清く美わしく御造営できるよう参事が祝詞(のりと)を奏上し、一度で八度拝を行います。神饌が下げられると、いよいよ木造始の所作に移ります。
​ 小工らが御用料木に進み出て、鋸(のこぎり)で両木口を切り揃え、墨壺(すみつぼ)で墨を打ち、最後に手斧(ちょうな)を左、中、右に打ち振るいます。忌斧(いみおの)とも言われる手斧を振るう所作が象徴的ゆえに、手斧始(ちょうなはじめ)とも称されます。
​ 外宮の祭典は、雨が上がった正午に始まりました。
​ 御正宮に参拝し、多賀宮を遥拝してから木造始の儀に進むのは内宮と同様ですが、いくつか違いがあります。
 ひとつは、内宮では饗膳の後に木造始の儀が行われるのに対して、外宮では順序が逆になること。また、内宮では半尻(はんじり)を着けた童男と袿(あこめ)を着けた童女が物忌として奉仕しますが、外宮では清冠(きよかんむり)を着けた童女一人だけが奉仕します。
​ 木造始の所作においても、小工は木口の切り揃えや墨打ちはせず、手斧(ちょうな)だけを振りかざします。
​ 屋船大神への献饌、祝詞奏上の後、小工による手斧始、最後に饗膳が行われて、外宮の木造始祭は終了しました。
​ 翌二十二日には、午前に内宮第一別宮の荒祭宮と外宮第一別宮の多賀宮で、両正宮に準じた祭儀が執り行われ、一週間のうちに全ての諸別宮で木造始祭が営まれました。

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