投稿日:2024年6月18日(火)
【東京都神社庁『生命の言葉』】令和2年5月:今日の暮らしは昨日にあり 今日の丹誠(たんせい)は 明日の暮らしとなる―二宮尊徳 解説:恵みとは日々の暮らしを大切とすることで与えられるものである『万物発言集草稿』・・・改めて生活習慣を見直してみます。耳が痛いです。出仕の宇多です。
さて、去る令和6年6月3日(月)~6日(木)までの4日間、神奈川県神社庁研修所の主催により行われた第34回初任神職研修に当社出仕の宇多哲弘が参加しました。以下、報告としてその様子や所感を書き連ねてまいります。今回は緊張感のある1日目の模様です。
〇そもそも初任神職研修とは・・・新たに任用された神職に対し神社本庁・神社庁の組織を明確に認識せしめ本庁包括下の神職としての自覚と連帯感を養ふ。(開催要項より)
―分かりやすく言うならば、県内の神職(住所登録)を対象に、数日間に亘って行われる勉強会です。ほとんどが奉職(一般企業でいうところの就職)をして、数年が経過した若手神職が多く参加します。
今回は神奈川県内より22名が参加し、鶴岡八幡宮の境内施設を拝借して行われました。後に控えている中堅神職研修、指導神職研修と同じく初任神職研修も本来であれば宿泊を伴いますが、先の流行病が契機となり、通いながらの参加となりました。
最初に本研修の説明がなされました。全員が白衣・白袴姿のため参加者全員が参拝者から見れば鶴岡八幡宮の神職と同じということ、それ相応の振舞が求められる、と念押しされました。その後は自己紹介の時間がとられ、所要時間は一人ひとり1分程度。各々まだ緊張が解けておりません。
そのまま講義に移りました。1日目の講義は「敬神生活の綱領」と「神社実務①」と「神社本庁憲章」の3コマ。
〇「敬神生活の綱領」の講義では概要や制定の経緯、例えば「かつて不文の法であった概念を明文化したものである」「教化をする上でも我々神職が必ず理解・記憶しなければならないものです」と教わりました。こちら(神社本庁HP)からご覧ください。
また、本講義の後半では22名の研修生全員が「なりたい神職像」を発表しました。改めてこのような場で発表となると、上手に言語化することは難しいものです。他の研修生は「先代宮司が恩師であり、その恩返しをしたい」や「自分が末代になるのは勿体ないと思って」など、神職である各々が思想や抱負に触れることができて非常に有意義な時間となりました。かく言う私は宇多家が代々奉仕する上野八幡宮における問題点や自身の育った環境を挙げつつ、「積極的かつ効率的に教化を行える神職になりたい」と結論づけた発表をしました。
〇「神社実務①」では藤沢市湯立神楽保存会の会員でもあります、横須賀の諏訪神社の禰宜を務める小池建彦先生による講義でした。私と、同じく藤沢の諏訪神社の諏訪宮司も既知の間柄であります。開講前に2人で挨拶に行ったところ、「諏訪さんは宮司で当事者だから面白いかもしれないけど(私を指して)職員にとってはつまらないかもね・・・」と自虐しておられましたが私も、これから数十年間、真面目に奉務していれば当事者になる予定です、他人事ではありません。つまり、この講義では宮司が、宗教法人の代表役員という立場で神社の管理・運営をする上で踏まえなければならないこと等の内容でした。他の宗教法人と同じように”宗教法人法”という法律に従うだけでなく、本庁包括下の神社が遵守しなければならない”神社本庁庁規”、各神社の定める”神社規則”を絡めた様々な変更・財産管理について実際の申請書も拝見しての学習でした。
教科書に記載の条文を研修生が音読して進める形式ですが、先発に宇多を、その次に諏訪宮司を指名されたのですが恐らく偶然ではないと思います。
〇「神社本庁憲章」では、来る令和15年に第63回目を迎える式年遷宮について触れ、今一度斯界が心を一つにして団結するよう呼びかけられました。神社本庁憲章は全19条からなる神職として当然守らなければならない精神的規範を成文化したものです。この憲章が制定される際にも、神社界の団結を期待されていたという背景があります。遷宮に向けて我々神職は改めてこの憲章を遵守するよう意識しなければなりませんね。
第11条の2項「神職は、古典を修め、礼式に習熟し、教養を深め、品性を陶冶して、社会の師表たるべきことを心がけなければならない」
私は自戒の念から、この条文を心の中に額縁をかけて掲げております。
(2日目に続く・・・)