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荒稲の奉製~令和6年 秋祭に向けて~

投稿日:2024年10月9日(水)


天穂のサクナヒメ」というアニメが配信されており、昨日視聴を終えました。タイトル通り、日本神話からインスピレーションを受けており(※あくまでも創作)、稲作の苦労や、米は貴重な食材であることを、一柱の神様が豊穣神として成長する様子と共に子どもでも分かりやすく、コミカルに伝えられている良いアニメでした。当ブログをご覧の皆様、ぜひご家族で視聴してみて下さい。棚田の盛んな地域で育った権禰宜の宇多です。

 

さて、秋祭り諸準備の一環として、稲穂を選別・調整し、荒稲(あらしね)を奉製しました。

 

▽今回この稲穂は、兼務社である佐波神社の宮総代、安藤康彦様が収穫し、ご奉納いただいたものです。

まずはこの中から形の綺麗な稲穂を選別するところから始めます。

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▽予め長さを仮に決め、はさみで一本ずつカットしていきます。

茎が鞘のようになっており、切ってみればスーッと気持ちよく抜けます。

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▽全ての稲穂を選別してカットしたところです。

だいたい2時間くらいでしょうか。

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▽首を縛ることで仮止めをし、末端の長さを切り揃えます。

そういえば稲が稔ることを「頭(こうべ)を垂れる」と言いますね。私はこういった擬人法が好きで会話の中でよく使ってしまいます・・・。

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▽麻紐で本結びをして完成です。

秋祭りまでまだ期間がありますので、仮止めは敢えてこのままにしています。

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「荒稲(あらしね)」は稲穂にもみが付いた状態、「和稲(にぎしね、にごしね)」はもみをすり取った状態を表します。余談ですが今日神社で奏上される祝詞のベースとなった祝詞は「延喜式 巻八」に多く収録されており、中でも広瀬大忌祭の祝詞では「和稲荒稲」の表記がみられます。「和」と「荒」。相対する2つの概念を稲に当てはめているように、対義語を用いることで神饌を調達できる範囲と、加工や調理の範囲を広くカバーしている、と大學時代に習いました。ちなみに、お魚は「鰭(はた=ヒレ)の広き物・狭き物」と記されており、この鰭の大きさというのは岸辺に生息する魚から沖合に生息する魚まで、ということを暗に示しています。面白い対極表現ですね。


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