投稿日:2024年11月13日(水)
11月に入り、ちょっとばかり寒くなったと思ったら、「待ってました」と言わんばかりに色んなお店がクリスマスソングを流し始めているではありませんか。スルーされる11月がかわいそうじゃあありませんか。11月のちょうどいい気温と紅葉を楽しむ権禰宜の宇多です。
さて、去る11月11日(月)と12日(火)の両日に寒川神社参集殿にて、教養研修会が開催されました。
今回、当社からは遠藤権禰宜、牧野権禰宜、宇多、本山出仕が参加しました。
講師は「日本神道史」を編集された國學院大學の岡田莊司先生です。先生は中世の神道史を主に研究しており、私が國學院大學に入学した平成30年に名誉教授になられました。現在は2~3週間に一度、一般の方向けの講義を開いているそうです。
「循環祭祀体系―天皇と伊勢の祭祀から一宮祭祀へ」を主題に、現在、我々のような神社に奉仕する神職とはまた違った、大嘗祭などの皇室祭祀、神宮の祭祀について学びました。
以下、講義の様子の一部をピックアップして紹介します。
▽会場の様子です。
▽こちらは大嘗祭の祭場となる”大嘗宮”です。大嘗祭は新しい天皇陛下が即位されて初めての新嘗祭のことです。ですから一代一度の、貴重で盛大なお祭りです。
大嘗宮は一度、祭場として用いられると撤去されます。つまり一度の大嘗祭のためだけに作られる祭場なのです。
私も今上陛下が御即位あそばされた際には、同郷の学友と見に行った記憶があります。
〇また、天皇の玉体(からだ)に病気やケガなど災いが起こった際に神職らがどのように対応し、祭を行ってきたのか・・・「御体御卜」について、先生が10年前に研究室のメンバーで再現した映像も拝見しながら学びました。どの神様が祟っているのか占い、その神様を祀る神社の神職の責任が問われ、祓を科されるそうです。
▽講義のパワーポイント
岡田先生は鎌倉出身で茅ヶ崎在住とのことで、生粋の神奈川県民だそうです。来月刊行されます『中世神道と神社の信仰体系』(吉川弘文館)が先生のこれまでの研究のまとめ、と仰っていました。講義の最後には、大庭御厨をはじめとした郷土史への研究意欲も語っておられました。いつか、我々相模湘南支部内の神社にも調査に来られるかもしれないと、お互い期待しているところです。
主催者の神奈川県神社庁相模湘南支部および会場を用意して下さった寒川神社さん、講師の岡田莊司先生に感謝の意を表します。今後も積極的に各種研修に参加し、神社本庁憲章第十一条二項にあります「神職は、古典を修め、礼式に習熟し、教養を深め・・・(後略)」ことに、努めたいと思います。