投稿日:2019年2月26日(火)
社務所玄関前の白梅が満開、社務所窓口前の白梅は5~6分咲き。ここ2~3日青空が出ていないので写真は取れていませんが、機会を逃さず撮影出来たら掲載したいと思います。梅は今が見ごろ!マスクを取ると花粉が…でも梅の花の香りも感じたい…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成31年2月25日号のコラム「神宮だより」をご紹介致します。
【神宮だより ~祈年祭~】
「神宮恒例祭典で五大祭の一つである祈年祭が、2月17日の両正宮より始まり23日までの間、別宮他すべての宮社で執りおこなはれ、滞りなく御奉仕申し上げました。
祈年祭は「きねんさい」と申し上げますが「としこひのまつり」とも言ひ、暦の上では立春も過ぎ春を迎え、その年の農作物を作り始める時期にあたり、天照大御神をはじめとする八百万の神々に五穀豊穣・国家の安寧を祈るお祭りです。伊勢の神宮では、まづ大御神に神饌を供する大御饌(おほみけ)の儀が執りおこなはれ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛を奉る奉幣の儀がおこなはれます。
この後、寒さも和らぎ春らしい陽気に包まれた3月の春分の日には神饌御料の野菜や果物を栽培する神宮御園(みその)において御園祭(みそのさい)が、4月の上旬には神宮神田においてその年の稲作の始まりにあたる籾種を蒔き育苗する神田下種祭(しんでんげしゅさい)がおこなはれ、続いて翌月にはその苗を神田に植ゑる御田植初(おたうゑはじめ)がおこなはれます。5月と8月には風日祈祭(かざひのみさい)が両正宮以下執行され、9月上旬には神宮神田において神饌米の収穫を始める抜穂祭(ぬいぼさい)がおこなはれ、10月の神嘗祭(かんなめさい)、11月の新嘗祭(にいなめさい)へと続いてまゐります。
日本の国にとりまして五穀の豊攘は、国家繁栄の礎であり日本国民の豊かな暮らしを意味し、ひじょうに重大なことと申せませう。神宮では神嘗祭・六月・十二月の月次祭(つきなみさい)を三節祭と申し上げ、年間1,500回に及ぶ祭典の中でも重儀と位置づけられてをります。その三節祭に豊かな稔りを願ふ祈年祭とその稔りに感謝する新嘗祭を加へ、神宮大祭と申し上げるのは必然的なことと考えられます。
我々は御奉仕の中で今年一年自然の猛威に悩まされることなく適度な風雨、穏やかな気候に恵まれ豊かな稔りがありますことを只管に祈る次第でございます。」