投稿日:2019年2月22日(金)
気温が高く、少し風がある…花粉が飛ぶ条件が整っております。それだけでも鼻の奥がむずがゆくなってくるようです…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成31年1月28日号のコラム「神宮だより」をご紹介致します。
【神宮だより ~神宮消防について~】
「日本漢字能力検定協会が毎年12月に清水寺においてその年の世相を表す漢字一字を発表する「今年の漢字」、昨年は『災』であった。世間を騒がせた人災や、今なほ各地に爪痕が残ってある台風、豪雪・豪雨・猛暑等の自然災害を受けての選出であらう。
さて、「備えあれば憂ひなし」といふ言葉もあるやうに、神宮においても常日頃から災害に対して備へてをり、自衛消防組織である「神宮消防」を有してゐる。
神宮消防は明治15年に発足し、今年で137年の歴史を持つ。組織は内宮を神宮消防第一組、外宮を第二組、瀧原宮を第三組、伊雑宮を第四組とする計四組で編成。各組を神宮衛士と18歳以上の男子近隣住民らにより、各組組長、副組長、消防手の7~13人を配置し、現在は計52人によって構成されてゐる。
ポンプ車1台、小型動力ポンプ積載車6台 の計7台を所有し、両正宮はじめ諸施設および神宮林などの火災、風水害の警戒防や非常時の特別警備に備えてゐる。とくに戦前までは、当時最新式のフランス製消防車を導入してその機動力を発揮し、近隣市町村の絶大な信頼を得たさうだ。また、小型動力ポンプ積載車は、山林火災に備えて細い道でも林道奥深くまで進入できるやうに作られてゐる。
1月30日(水)には新春恒例の消防出初式が、内宮神苑の参集殿北側苑地において神宮衛士と消防組員数人が参加して執りおこなはれる。式典では大宮司、少宮司をはじめ伊勢市消防本部・警察署の代表が参列のもと、警衛部長が訓辞を述べ、続いて永年勤続者が表彰される。締めくくりとして、神楽殿裏御池において消防ポンプ車による放水訓練がおこなはれる。
なほ、出初式は2月2日(土)に瀧原宮、3日(日)に伊雑宮においても同様に執りおこなはれる。」
乾燥した空気の日々が続き、消防のサイレンを聞かぬ日は無いという状況が続いております。神社の御社殿は木で出来ておりますので、防火・防災には層倍の神経を遣っております。