投稿日:2017年3月21日(火)
久しぶりのまとまった雨。花粉症の方と植物にとっては恵みの雨になりそうです…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成29年3月20日付号に、「巫女のための神宮研修会」の記事が掲載されていましたのでご案内致します。
「【全国の巫女が参集し伊勢の神宮で研修会~神道青年全国協議会~】
神道青年全国協議会(長友安隆会長)では二月六・七の両日、「巫女のための神宮研修会」を伊勢の神宮などで開催し、全国の神社に奉仕する巫女五十四人が参加した。この研修会は、社頭で参拝者と接する機会が多く、また将来家庭を持った際に母として子供に教育を施す最も身近な存在ともなる巫女を対象に、神宮神域での貴重な体験を通じ、神宮に関はる見識を深め、更には皇室敬慕・本宗奉賛の心を涵養することが目的。平成二十三年に第一回が開催され、今回で三回目を数へる。
六日午後零時三十分、参加者は神宮会館に集合し巫女装束に改服。内宮に参拝した後、神楽殿で御神楽を奉納した。
その後、参集殿で結団式がおこなはれ、国歌斉唱、敬神生活の綱領唱和に続いて長友会長が挨拶。神職以外で同様の研修を受けられるのは貴重な機会であることを説明しつつ、「五感をフルに使ひ多くを体得し、今後の巫女奉仕に繋げていただきたい」と語った。引き続き、神宮の日比敏明権禰宜と吉川竜実権禰宜が神宮についてそれぞれ講義をおこなった。日比権禰宜は「神宮の御由緒並びに舞女の奉仕について」と題して講義。神宮の由緒や祭典などに関して語った後、神宮の舞女を交へて日々の奉仕内容や心構へについて説明があった。「神宮大麻について」と題して講義した吉川権禰宜は、他宗教との比較などを通した神道の特徴や、神宮大麻奉斎の意義について解説。参加者は興味深さうに聞き入ってゐた。
講義後には内宮の夜間参拝を実施。静まりかへった参道を参進し、正殿に参拝した後、黙想した。神宮会館に戻ってからは懇親会も開催され、普段交流の機会が少ない巫女同士が親睦を深めた。
【家庭祭祀など主題に討論も】
翌日には午前六時三十分に集合し、内宮で早朝の御垣内参拝を実施。朝食後には、外宮へ移動して御垣内参拝をおこなったのち、せんぐう館と神宮徴古館を見学した。神宮徴古館では、六班に分かれてのグループディスカッションも実施。参加者は、「研修会で一番印象に残ったこと」「研修会で学んだことを巫女としてどのやうに社務に活かすか」「神宮大麻増体、家庭祭祀隆昌のためにどのやうな行動が必要か」の三つをテーマに活潑に討論し、各班の代表者が意見を発表した。この中で神宮大麻増体や祭祀隆昌については「分りやすいパンフレットを作成する」といった広報に関はる意見が多くあったほか、「家庭を持った際、身近な人に神宮や神社、家庭祭祀のことを語りその輪が広がれば、自然と隆昌していくのではないか」といった意見も聞かれた。同会会員は、「参加者の真剣な態度と立派な意見に触れ、学びへの意慾を痛感した。一人一人の感想が、グループディスカッションを通じて他人に訴へうる意見として形作られたと確信する」と語ってゐる。
研修会を終へ参加者からは、「他の神社の方々と意見を交はす場は貴重で刺戟的だった」「研修会で得た神道の考へ方を基盤に、参拝者がより神様を感じることができる神社にしきいきたい」などの感想が寄せられた。」