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湯立神楽の解説
投稿日:2016年10月15日(土)
さわやかな秋晴れの今日、境内に七五三詣での子供たちの元気な声が響いていました。権禰宜の遠藤です。
さて、来る10月28日(金)午後2時より白旗神社 秋祭・特殊神事湯立神楽が斎行されます。
今回は当日祭場で配布されます「白旗神社 湯立神楽の解説(十二座)」についてご紹介致します。
この解説は、当日はもちろんですが、現在もご社頭に設置してありますので、どなたでもご自由にお持ちいただけます。
「【藤沢市指定重要無形民俗文化財 湯立神楽】
白旗神社に伝わる湯立神楽は 江戸時代から承け継がれて来た 神職が演じる格調高いお神楽です。
大釜に熱湯をたぎらせ 湯華(湯玉)の立ち昇りで その年の吉凶を占います」
「一、打囃子(うちはやし)
はじめに笛・締太鼓・大胴の楽器によって音合わせをします。神職一同でこれからの奉仕に備え祈念をし心意気を高め調子を揃えるのが打囃子です。
二、初能(はのう)
宮司が左手に広げた扇に洗米をのせ、右手に鈴を持ち四方にお米を散供(さんく)して、諸々の霊を和め清める舞です。
三、御祓(おはらい)
お神酒とお祓いの道具を持ち、舞に使うすべての道具・斎場(さいじょう=神さまが降臨される場所・釜場・火・水)を祓い清め、神様の降臨を待つ舞です。
四、御幣招(ごへいまねき)
神楽の対象となる産土神(うぶすなのかみ)・火の神・水の神をお招きする舞です。舞が終わると参列者に恩頼(みたまのふゆ=神様の御霊魂)を授ける神事があります。
五、湯上(ゆあげ)
火の神と水の神が結びついてできた熱湯に湯たぶさ(笹)を浸し、熱湯を桶に汲み取り、神前に捧げます。
六、中入れ(なかいれ)
前半の清め・祓い・神招きが終了して短い休憩となります。神職は狩衣(かりぎぬ)を脱いで白衣・袴の姿になり、後半の新人共楽の神楽に備えます。また神前にお供えされているお神酒とお赤飯を参列者に分かちます。
七、掻湯(かきゆ)
御幣(ごへい)で四方を舞い鎮め、舞が終わると大釜の前に進み、煮えたぎった湯釜を御幣の串で掻き回すと、渦巻きが生じて湯華(湯玉)が立ち昇ります。古くはこの湯立ちによってその年の吉凶を占いました。湯立神楽を象徴する舞です。
八、大散供(だいさんく)
初能(はのう)の二人舞で、祓い清めの舞です。このお祭りに招かない八百万神(やおよろずのかみ)に洗米を散供し、四方を和め鎮めます。勇壮かつ優美な二人舞です。
九、湯座(ゆぐら または笹の舞という)
二人の舞手が笹の葉で四方を舞鎮めた後、交互に大釜に向かい、熱湯を笹に浸して参列者の頭上に散らし掛けます。このしぶきを浴びると災難病魔を祓い除けると言い伝えられています。
十、射祓(いはらい または弓祓と書く)
四隅に矢を放ち悪霊を退散させます。最後に正面(神前)に向かいますが、悪霊がいないため矢を放たず鳴弦(めいげん)にとどめます。四方に放たれた矢を授かると開運招福・息災延命になると伝えられています。
十一、剣舞(けんまい)
赤面の天狗(猿田彦)が剣を持ち邪悪を清め、悪しき大気を体内に吸い込み浄化され、日本の指で空中に九字を切り、護身・除災・勝利のまじないをしながら豊年万作・大漁満足・天下泰平を祈念し、天地運行の乱れを正します。
十二、毛止幾(もどき)
剣舞の途中より黒面の山の神がしゃもじを持って現れ、天狗の真似をしたり滑稽な仕草をしながら、斎場にいるすべての人の心に平安と安らぎを取り戻させる『もどき』で神楽は終了します
神楽が終わると斎場に取り付けられた紙垂(しで)を持ち帰り、家の神棚に祀り、災い除けにする風習があります。」