神社新報（令和6年8月5日付）「涼」特集より

今年も猛暑の夏が訪れた。この暑さを凌ぐためにも、少しでも涼をとりたい今日この頃。今回は神社に涼を求め、五感から涼しさを感じる話題を紹介する。

視覚

寒食が使用されてゐるものや透明感のあるものなどを見ると、涼しさが連想される。東京・渋谷区の明治神宮ミュージアムでは、清涼感のある作品を通して、「涼」のひとときを楽しんでもらはうと展示「涼を呼ぶ美と文化」を開催中だ。

展示では紗で作られた昭憲皇太后御料「御袿」や、ガラス細工が施された明治天皇御料「御みうがい用水差し」など、明治神宮所蔵の明治天皇・昭憲皇太后御物を中心に出陳してゐる。

衣類や調度のほかに楊州周延の明治天皇錦絵「玩鮎逍遥之図」や昭憲皇太后後料「網戸付茶棚」など絵画や工芸作品も展示。

先人たちは描かれた清涼な風景や涼をのる人物に自らを重ねて涼を楽しんでゐたのだといふ。

紙面掲載の作品は「玩鮎逍遥之図」で、画面右端にゐる軍服姿の明治天皇と思はれる人物が見守る中、女官が鮎漁を楽しむ風景が描かれてゐる。

【展示概要】

会期　七月二十日から九月二十三日まで

会場　明治神宮ミュージアム（東京都渋谷区代々木神園町1- 1）

開館時間　午前十時から午後四時三十分（入館は閉館の三十分前）まで

入館料一般千円、高校生以下九百円、小学生未満と明治神宮崇敬会会員は無料

休館日　木曜日

問い合わせ　同館（電話03-3379-5875）まで。