投稿日:2024年10月4日(金)
【暦で見る九星の運勢シリーズ】九紫火星:10月(各自の九星についてはブログ中の表をご参照ください)「吉方…北 行き違い、食い違いが多くなりそうです。一度止まって確認を。焦り・怒りは禁物。転業・転職の話が舞い込んできて心が動きますが、即断即決せず時間をかけてじっくりと」とのことです…権禰宜の遠藤です
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和6年9月30日号掲載のコラム「神宮だより」をご紹介致します。
【神宮だより~神の御前に茂りあひにけり~】
「域内案内の折、神宮の杜の佇まひに感銘を受け、「とても立派な杜ですね」と、思はず感嘆のことばを漏らす方がゐます。
そのすがたに嬉しくなるのと同時に、必ず思ひ出す歌があります。
「神垣(かむがき)の御室(みむろ)の山の榊葉(さかきば)は神の御前に茂りあひにけり」神宮でも奉奏される神楽歌「榊(さかき)」の歌で、「神聖な山の御神前に生えてゐる榊は、神の勢ひ(御稜威)を誇るかのやうに青々と生ひ茂ってゐることであるよ」といふ意味になると私は思ひます。
神道において万物は皆、八百万の神々が生命を育む力、則ち「産霊(むすひ)」のお働きによりこの地上に生まれ出づるとされ、その産霊の力を享(う)けて誕生する存在の一つが「植物」だとされます。
天の岩戸神話によれば、高天原よりもたらされた神聖な植物である榊。
その榊が神前で繁茂してゐるのは、その地に坐します神の産霊の霊威が盛んであることの証であり、この和歌では、神々と榊葉が共に栄えてゐることをみごとに讚(たた)へてゐます。
この歌が物語るやうに神社の杜が豊かであるのは御稜威の隆盛を示してをり、神宮もただ広大な杜を有してゐるのではなく、天照大御神をはじめ百二十五社に鎮まる神々が、木々に生命の息吹をもたらし、森厳な神域を形づくってゐるのです。
また榊は常緑樹でもあり、厳しい暑寒の苦を耐へ抜き、一年を通して生き生きとした緑を保ってゐます。
それゆゑに常緑樹は古来永遠を意味する「常磐木(ときはぎ)」とも称されてきました。
常磐木もまた、神々の勢ひが衰へることのないやう、君が代が平安な世であるやう、祈るかのやうに天高く聳え緑を絶やさず永遠を体現してきました。
そして私たちに必要な酸素を与へ、癒しをもたらしてくれてゐます。
そんな木々に想ひを馳せたとき、自然と感謝と敬愛の気持ちが沸いてくる気がいたします。
神域の木々は今日も参拝者を温かく包み込むやうに出迎へて、大御神の御許へ誘ってゐます。」