投稿日:2018年10月4日(木)
台風が過ぎさり秋風が吹く中、段々と鎮守の森が色づき始めました。季節の変わり目は風邪に気をつけています。権禰宜の佐藤です。
本日は神社本庁発行の『まほろば』の掲載記事をご紹介致します。
宮本卯之助商店は文久元(1868)年、土浦での創業。明治26年に4代卯之助が浅草の地に店を構えた。現在では宮内庁をはじめ、全国の社寺や芸能関係者を主な取引先としている。
「【特集】~御神輿 太皷司 宮本卯之助氏~」
大正天皇が崩御されたときにその御大喪用の楽器一式を私どもで謹製させていただいたのが御用達のはじめです。当時もっと古い太鼓屋さんは浅草にも6~7軒あったわけですが、その中で御用命いただいたのは光栄なことです。
太鼓は神社仏閣や郷土芸能でお使いいただき、能や文楽、歌舞伎、雅楽でも無くてはならない伴奏楽器で、そうした面でまだ必要とされています。それと40~50年前から和太鼓だけを抽出した組太鼓も盛んになりました。それでも30年前と比べると伸び悩んでいて、やはりハードだけでなくソフト面の教室事業も展開しようと、今倅(宮本芳彦社長)が一生懸命やっています。
例祭でいえば、神事で気持ちが引き締まった後、笛や太鼓で囃して氏子を高揚させていく芸能があると思うんですね。それが、直会。神事だけで終わらない、かといって芸能だけでもない、神事・芸能・直会の三つが一体となった形がきちっと毎年繰り返すことで、神様の教えを庶民に伝えているのだと思います。
神道には『古事記』や『日本書紀』といった神典はあるけれど、聖典はないわけですよね。日本ではお祭りの中でその聖典みたいなものが再現されて、庶民の心に根付いているのかと。大事なものがお祭りの中には込められていて、だから一年に一回、神事と楽しみを通してそれが庶民の心に伝えられて、残っていくんじゃないかなと思うんです。