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【神社新報コラム】杜に想ふ~アマビエ~

投稿日:2020年5月19日(火)


【暦で見る九星の運勢シリーズ】三碧木星:6月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…南西 良運に恵まれるとはいえ、持続性に乏しいので此の点をよく考えて歩んで。交渉事は良いところまで行きますが、あと一歩というところで滞る事があるから、最後までしっかりと」とのことです…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙である『神社新報』令和2年4月20日号掲載のコラム「杜に想ふ」を御紹介致します。

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【アマビエ】

節分で鬼は祓ったはずだが、今年の春は目に見えぬ物の猛威に脅かされてゐる。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を「戦争」と表現した海外の首脳がゐた。海の彼方での出来事と思ってゐたのも束の間で、日に日に増加する国内外の感染者数の発表とともに、さまざまなことが中止や延期、自粛に、との発表が相次いでゐる。各地の神社では鈴緒や手水鉢の柄杓が撤去され、古社の例に倣ひ鎮花祭として桜花を献じるなどさまざまな方途で疫病終が日夜祈られてゐる。已む方なく、授与所や神門を閉ぢて参拝停止とされるなど、より一層感染防止に努められてゐること も英断と拝察してゐる。先日、富山県在住の某氏から、「笑ひ話のやうだが」と前置きの上、古くより世に知れる越中富山の配置薬「熊の胆」がコロナウイルスに効くといふ話が某県の一部で口コミに より広がって需要が急遽高まり、対応に追はれてゐると聞いた。私自身は医学のことはまったく詳しくなく、その効果の程はわからないが、失礼ながら、過日のトイレットペーパ ー騒動をふと思ひ出した。

さて、その越中こと富山県では「クタベ」なる伝説の霊獣が再び話題になってゐる。往時の山岳信仰や人々の暮らしを学術的・総合的に調査研究する立山博物館で開催された特別企画展「立山ふしぎ大発見?」で紹介されたのは昨年夏のこと。「クタベ」は江戸時代末期に霊峰立山で薬種を採取してゐた人の前に出現した人面獣体で、疫病が流行するとの未来を予言し、その「姿を見たものは災厄から逃れられ、姿を描いて人々に知らせなさい」と伝へたとされる。ユーモラスな表情と姿が人気を呼び、コロナ禍であらためて脚光を浴びてゐるのである。

近頃では類似した伝説で、肥後国で海中より出現したとされる半魚人「アマビエ」が全国的に話題となってゐる。出現譚に山と海との違ひはあるものの、疫病流行の未来を予言し、姿を人々に見せるやうに話したとの件はまったく同一。「アマビエチャレンジ」として有名人や一般の方々もその姿の手描きや手 作りをしてゐることがSNSで話題となり、兵庫県の廣田神社では三月十九日から「アマビア」の姿を護符として無償配布されて人気を呼び、さらに話題となってゐる。発案はその昔に仕事で御一緒したことがある禰宜さんで、訊けば、宮司さんの御快諾を得て、巫女 さんが描き、職員が手前で印刷して社頭に置く、まさに手作りでの取組みがうれしい。

文明科学と情報が発達した令和の時代にあって、これらが話題となって取り上げられることは驚き以外の何物でもない。ややもする と奇異荒唐と感じる伝説なのだが、驚く勿れ、四月九日には厚生労働省の若年層への感染拡大防止啓発キャラクターに「アマビエ」が採 用され、いはば政府のお墨付きにもなった。先の見えないなか、まさに藁にも縋る思ひなのは私一人ではないのではないだらうか。

(著:まちづくりアドヴァイザー 八代 司)

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