投稿日:2017年12月8日(金)
学生時代の実習などももう遠い昔の思い出になりつつあります…権禰宜の遠藤です。
神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成29年9月11日号コラム「神宮だより」を御紹介致します。
【神社新報コラム~神宮だより 初心~】
神宮では毎年八月と九月に國學院大學・皇學館大学の学生を中心に、神職を養成する神宮実習の受入れをしてをります。
神職としての素養を身に付けることはもちろん、常典御饌(日別朝夕大御饌祭)の奉拝をはじめ御社頭での参拝者への対応、神宮の御料地の見学や宮域林での実地研修、神宮や神宮大麻、また式年遷宮に関する講義など、神宮の御事について重点的におこなってをります。
この神宮実習は指導をする立場の我々にと っても、初心に立ち返ることができる良い機会です。
今夏も神宮実習が実施され、実習生の皆さんと接する機会をいただきました。
実習生にとっては特別な経験とも言ふべき内容が多くあります。
とくに常典御饌の奉拝については、本来であれば神宮の神職として御奉仕する以外に関はるすべはなく、また目にることも適ひま せん。
それが神宮実習においてのみ許されてゐる、極めて貴重な時間であることは間違ひないでせう。
期間中は心身ともに何かと不安な状況であることは私も経験してをりますが、さういった中でも皆それぞれが懸命に緊張感を持って諸事励む姿に接すると、少しでも今後の神職人生の一助になればと、先輩としてやはり自然と指導にも力が入ります。
集団行動・集団生活の中で互びに切磋琢磨し一 つのことに精励する姿は実に新鮮で、神様に向かふ謙虚な気持ち・志がよみがへり正に初心に立ち返る思ひがするのです。
この神宮実習は私にとっても大切な時間であるといふことを再認識させられます。」