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【神社新報コラム】神宮だより~辛櫃の重み~

投稿日:2020年3月24日(火)


朝の掃除中、春の嵐のような風でせっかく集めた落ち葉が流されるの見るともののあはれを感じます…掃除もう一度やらないと…権禰宜の佐藤です。

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和2年3月2日号掲載のコラム「神宮だより」をご紹介致します。

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神宮だより

【神宮だより~辛櫃の重み~】

「お祭りにおいて、必要不可欠な祭器具はいくつか挙げられますが、神宮の祭儀でいへば辛櫃(からひつ)がその一つといへます。神宮では神饌、幣帛等のお供へ物や神事用具を辛櫃に納め祭場に舁く(かく=運ぶ)ために用ゐるものです。辛櫃は檜の素木で作られてをり、納める品目や数量、祭儀の内容で数種類の辛櫃を使ひ分けてゐます。具体的には神饌用辛櫃は大・小二種類の他に、日別朝夕大御饌祭用のもの、また、幣帛(へいはく)用辛櫃や御鑰(みかぎ)用辛櫃は正宮分、別宮分とで大きさが異なり、辛櫃自体に鑰が取り付けられてゐます。特殊なものとしては、神宮式年遷宮において神宝類を納める辛櫃には漆塗りが施されてゐます。

神宮に奉職しますとすぐに辛櫃を舁く所役を奉仕するのですが、初めて舁いた時、その重さに祭場までたどり着けるか不安になるほどでした。ほとんどの祭典では、お祓ひの後辛櫃を担ぐための棒である朸(おうこ)を付けるのですが、祭儀が滞ることのないやう速やかに且つ正確に結びつけることが求められます。

また、当然ながら丁重に調へられたお供へ物を美しいままに運ぶベく、細心の注意を払ひます。とくに参道が長いため辛櫃を揺らさないことはもちろんのこと、段差のある場所では辛櫃(朸)を傾けないなど前後二人の息を合はせることが肝要です。どの辛櫃を舁くにも身が引き締まりますが、正宮へ舁く幣帛辛櫃は格別です。重量はさることながら、中に納められた幣帛に思ひを致すとその重みに緊張感は一段と増します。正宮に舁き入れることができ安堵する中、幣帛は権禰宜により御正殿階下へ運び込まれていくのですが、その姿を見るたび何物にも代へ難い感動を覚えます。」


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
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