投稿日:2022年4月26日(火)
義経藤もだいぶ咲いてきました!
二度目の登場出仕の本山です。
今日のフジ
今日は藤棚の傍にある芭蕉の句碑を紹介いたします。
「草臥亭(くたびれて)宿かる比(ころ)や藤の花」
江戸から歩いてきてこの藤沢宿に辿り着いた芭蕉がここで藤を見て宿を・・・と思いところなのですが、残念ながらこの句は藤沢の句ではないのです。
「笈の小文」(おいのこぶみ)のよるとこの時芭蕉は江戸を出て東海から関西方面へ旅をしています。
貞享5年・元禄元年(1688年)春、吉野で桜を堪能した後、大和(奈良)の八木というところでこの句は詠まれました。
歩き疲れた芭蕉を鮮やかな藤の花が迎えてくれたのでしょう。
と、いうことがわかると、なんだ、藤沢の句じゃないのかと思ってしまいますよね。
ではこの句碑はいったいいつ誰が建てたのでしょうか。
その答えは句碑の裏側にあります。
芭蕉の死後100年余り後の文化2年(1805年)俳人以足(いそく)が建立したと裏に掘ってあります。
以足については江戸時代の俳人というほかに判らないのですが、藤の花で最も有名なこの句の碑をここに建ててくれた人がいたことに嬉しくなります。
藤沢の地名の由来については諸説あるようですが、少なくとも江戸末期この辺りがすでに藤の見どころであったのは確かなようです。
以足は裏に自分の句も残しています。
「東路(あずまじ)や華にくるまる鈴の音」
ご自分の一番お気に入りの一句を残したのかな?と想像を膨らませております。
以足は俳聖芭蕉に少しでも近づきたかったのでしょうか。
歴史の中の人たちの息遣いを感じる句碑です。
ぜひ藤の花と共に句碑もご覧になってください。