ホーム » ブログ » 皇居勤労奉仕4日間(宮司編)

皇居勤労奉仕4日間(宮司編)

投稿日:2018年6月28日(木)


【冊子】天皇さまのおまつり④

賢所 ~神々のおわす宮中三殿~

皇居の森の奥、鬱蒼と木々が生い茂る敷地のほぼ中ほどに、

特別なお場所がございます。

皇室皇祖(こうしつ こうそ)であらせられます天照大御神様の御霊代(ごれいだい)として

御神鏡(ごしんきょう)を御祭り申し上げます賢所(かしこどころ・けんしょ)、

歴代天皇・皇后、皇族の御霊(みたま)を御祭り申し上げます皇霊殿(こうれいでん)、

天神地祇(てんしんちぎ)を御祭り申し上げます神殿(しんでん)がございます。

この御三殿を宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)と申します。

御三殿に附属して、神楽舎(かぐらしゃ)、綾綺殿(りょうきでん)、また神嘉殿(しんかでん)などのお建物がございます。

(髙谷朝子『宮中賢所物語』(ビジネス社)参照)

まさに、宮中三殿(下写真)でお掃除をさせていただき感激致しております宮司です。

20180623150157-0001 - コピー

(写真手前から 神殿・賢所・皇霊殿。その奥に見える長細い屋根が膳舎。中央左側に見える屋根が神楽舎)

20180623150157-0001

さて去る6月19日(火)から22日(金)にかけて神奈川県神道青年会主催によります『奉祝 天皇陛下御即位30年 皇居勤労奉仕』が開催され、新久田権禰宜と共に参加させていただきました。

皇居勤労奉仕は、月曜日から、または火曜日からの連続4日間奉仕できる15名以上で組織された団体で、半年前に申し込みをすれば誰でも奉仕が可能となっており、私共と同じ期間には福岡・東京・奈良など5団体180名が、月曜日からの団体は鹿児島・岐阜・東京など150名が参加されておりました。

24527

私共火曜日組の初日は赤坂御用地にて園遊会で使用される庭園の掃除と、東宮御所前におきまして皇太子殿下の御会釈を賜りました。

庭園を整備されている方によりますと、雑草などの草刈りでは「根っこから取らないで」とご指示があり、その理由は「土の部分を見せず緑の景観を保ちたい。雑草は伸びれば刈ればいい。」とのことや、色々な草花が植えてあることから刈ってはいけない種類も沢山あることをお教えいただきました。

赤坂御用地記念写真・モザイク

2日目から4日目までは皇居での奉仕となりました。

2日目は期間中唯一の朝から雨でした。私共の団は朝一番で宮中三殿を参拝させていただき、その後、門の外にある皇族や御来賓の方々の控室の掃除をさせていただきました。机と椅子が部屋の真ん中に1つだけ置いてある角の部屋に入って掃除していた折「先日英国留学からご帰国された佳子内親王殿下がご奉告のご参拝の折にお待ちになっていた部屋です」とご説明があり、一層掃除に励みました。また、皇居内生物学研修所前にある水田をご案内いただき、陛下が3日間に分けてお手植えされた苗を拝見致しました。(陛下がお植えになった所は五角形になっており、陛下がお植えになったのが分かるようにしてあるそうです。他の部分は1列づつ植えられていました)

その日の午後には福岡県筑後青年神職会 皇居勤労奉仕団の方々も加わり、福岡の方々は宮中三殿の廻廊(かいろう。上記地図の下側)を、我々は右幄舎(みぎあくしゃ。皇族や御来賓の方々が神事に参列される所)・膳舎(かしわしゃ。11/23に行われる新嘗祭のお供え物を並べて置いておく所)の清掃を致し、15時30分から天皇皇后両陛下から御会釈を賜りました。皇太子殿下の時と同様に、各団の団長が『県名 団体名 人数』を述べると、陛下から2~3個の御下問があり「お元気で」とのお言葉を賜りました。全ての団の御会釈が終わると、各団の団長が両陛下の前に整列し、団長代表により『天皇陛下皇后陛下 万歳』を全員で三唱、両陛下がお車に乗り込まれた後、車はそのままお帰りにならず、わざわざ切り返しをして窓を開けてお手振りをして下さり、我々も手を振りお見送りを致しました。御会釈の後、一緒に参加しました新久田権禰宜は涙を流して感動しておりましたが、参加者全員が人生最大の感動感激をいただいたことと思います。

24745

3日目の午前中は福岡の方々と共に皇居宮殿周辺の掃き掃除を行いました。道路伝いに奥の方まで行き、最後には庭園の掃除が終わったところでご説明があり「3.11の震災までは、正面右側に見えるお部屋で(表御座所にいくつかある部屋の1つ)陛下が日常のご執務をされていました。しかし、陛下が来られるということは、付随する部屋にも人が入ることになり結構な電力量になるからとのことで、陛下から『御所で出来ることは御所で』とお申し出があり、現在こちらでのご執務は行われておりません。」とのことでした。また、宮殿の御車寄(おくるまよせ)は天皇皇后両陛下と皇太子同妃殿下が、西車寄(にしくるまよせ)は皇族方のみがお使いになるとのことや、天皇皇后両陛下・皇太子同妃殿下が宮殿から宮中三殿に向かわれる道路の両脇には陛下のご提案で「桐」の木が8本植えられていることをお教えいただきました。その後には、昭和の初め頃まで昭和天皇が乗馬の稽古をされていたという「御馬見所」(おばけんしょ。だったと思います)を遠くから拝見させていただきました。

午後は、写真撮影と宮殿のご案内をいただきました。宮殿内部には入れませんでしたが、中庭から正殿や長和殿を始め南庭を拝見させていただきました。

皇居伏見櫓記念写真・モザイク

4日目の最終日は、江戸城周辺(皇居東御苑)の掃除とご案内をいただきました。こちらは、月曜日と金曜日が閉園となっており一般の方々の入場が無いということで(当日が金曜日でした)、本丸周辺では皇宮警察の白バイの方々が訓練をされていたり、普段使わない車を走らせているのが見られたり(センチュリーでした)、騎馬隊とすれ違ったりしながら、宮内庁楽部桃華楽堂を拝見して「諏訪の茶屋」と「都道府県の木」周辺の草刈りを行いました。

午後は、私共の団のみ「窓明館」(そうめいかん)(休憩所)に残り、3日間お世話になった部屋の掃除を行いました。その後、陛下からの御下賜(おかし)があるということで、各団の団長だけが参集して御菓子を賜りました。

この度の感動は、一言では言い表せない多くの感激をいただきました。

御承知の通り、明年には御譲位が行われ御代替わりとなります。近い内に神社が主催して、氏子皆様と参加できないか考えてみたいと思った次第でございます。

いずれに致しましても、主催して下さいました神奈川県神道青年会様、ご担当下さいました総務局の皆様、ご参加されました皆様ありがとうございました!


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
ぜひ早起きした朝やお休みの日にでも、お気軽に当社にお越しください。皆様のご参拝を心よりお待ちしております。