投稿日:2014年3月19日(水)
藤沢市の自転車の聖地が白旗神社ってご存知ですか??宮司です。
本年11月2日、藤沢市北部において『サイクルチャレンジカップ藤沢』(http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1402240012/)が行われるとのことにて、当社社報『ささりんどう 第2号』(平成9年7月1日)より、『自転車普及発祥の白旗神社』鈴木自転車店 鈴木武雄様のご寄稿をご紹介致します。
新装成った御典橋(みのりばし)を渡り、鳥居をくぐるとすぐ右側に高さ1メートル程の石碑があります。表面には『記念碑・藤沢輪盛会代表・江成佐七・脇田竹次郎・鈴木幸助・米山岩吉』と記され、裏面には次の様に記されています。『大正5年当町輪盛会ハ公園拡張ニ際シ、グランド新設ヲ発起シ、全町有志寄付募集ニ盡力ノ結果、其ノ実現ヲ見ルニ至レり、茲ニ当町事業ヲ永遠ニ記念スベク此ノ碑ヲ建立ス、所要地ハ廣瀬藤右ェ門ヨリ神社神苑敷地トシテ寄付セラレタルモノニ依リテ成ル。大正拾5年7月 近藤英楽建立』
はじめて自転車が日本に来たのは明治3年で乗用されはじめたのは明治20年から30年にかけてであるといわれています。自転車の普及と共に自転車競走が明治40年頃より大正年間にかけて全国各地で行われ、~ 略 ~ 。此頃、当地藤沢でも輪盛会が自転車の普及を図るべく白旗神社境内の公園に自転車競走のグランドをつくりました。競走場の開所時には自転車メーカーのお抱え選手を東京から呼んで、記念のレースが行われ、一般の出場者には地元商店の自転車好きの若い衆や自転車店の若者が参加しレースを盛りたてました。
自転車競走場は別図のごとく蓮池のまわりをまわるコースで、蓮池の周囲には巾2.5メートル程の歩道がつくられ、更にその外側に4メートル巾位の自転車競走のためのコースが設けられました。そして社殿のある土手前をスタートして左まわりに走りました。
観客は社殿横の土手の高い所や池のまわりの歩道で力走する選手を見物し、声援を送りました。当時の自転車店は輸入された外車が主で、鈴木自転車店では日米商会のラージを、そして米山自転車店では丸石商会のプリミア等を販売し高価な乗物でした。
~ 略 ~
80有余年前に自転車競走を行う事で自転車の普及が図られた記念すべき白旗神社、この境内に建つ記念碑に足を止め、日頃何気なく乗っている自転車の歴史に思いを馳せ交通安全を祈願するとともに自転車を大切にする心を持ってもらいたいものです。