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【神社新報コラム】神宮だより~寛文の正遷宮御条目~

投稿日:2020年3月31日(火)


外に出られなくて退屈…と思っている学生さん達もいることと思います。こんな時こそ読書に励むチャンスでもあります。普段は読まないようなジャンルの本に触れることで、身は家に閉じこもっていても、心の世界が広がっていきます…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙である『神社新報』令和元年12月2日号掲載のコラム「神宮だより」を御紹介致します。

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じんぐうだより

【神宮だより~寛文の正遷宮御条目~】

「江戸時代の寛文11年(1671)5月1日、幕府老中は両宮に対し二つの法令を下した。

一つは「諸社禰宜神主法度」(「神社条目」、寛文5年制定)の神宮版といふべきもので、禰宜等の服務心得・位階の執奏・装束規定等の七カ条が定められ、両宮禰宜等をはじめ宇治・山田の両会合や師職以下に至るまで遵守するやう命じたものであった。

もう一つが今回紹介する正遷宮(式年遷宮)に関する法令である。

掲出の史料は内宮禰宜に出されたもので、酒井雅楽頭忠清以下の老中5名が連署する形式の古文書(原本)である。

包紙には「伊勢内宮方下知状」と記し、別名を「御遷宮御造営御条目」とも称す。

神宮文庫蔵(第1門9138号)。法量は縦36.5㎝、横127.0㎝。継紙。

内宮禰宜家である藤波家旧蔵。

本法令は、遷宮造営の古法遵守のこと(第1条)。

御用材の伐採に関すること(第2条)。

宮域内の作場の巡視に関すること(第3条)。

御装束神宝及び飾金物等の調製に関すること(第4条)。

造営の諸役人及び京都の役人の起請に関すること(第5条)の5か条からなり、両宮禰宜や作所・頭工、さらには京都の行事官・諸役人等まで、右の条目に違犯しないやう厳命したものであった。

遷宮に関する幕府の対応は、家康以来一貫して御造営料を醵出し、山田奉行を遷宮奉行(造営奉行)に任命して遷宮完遂に尽力するものだった。

本法令は幕府の遷宮政策の一端を窺ひ知る極めて重要な史料である。

なほ本史料は『神宮遷宮記』第5巻に「寛文遷宮御条目」として収録されてゐる。(神宮文庫・窪寺恭秀)」


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