投稿日:2020年7月4日(土)
今日7月4日は「梨の日」。鳥取県東郷町(現 湯梨浜町)の「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」が平成16年(2004)に制定。
7(な)4(し)で「なし」の語呂合せとのこと。果物の梨は大好きなのですが、ガリガリ君の梨味も捨てがたいです…権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和2年6月29日号掲載の「神宮だより」を御紹介致します。
当社でも去る6月30日に行われました「夏越大祓式」ですが、全国の神社で6月・12月末に執り行われております。もちろん伊勢の神宮に於ても行われていますが、我々神職でもその様子は詳らかではありません。
今回は、その内実を伺い知る良い機会かと存じますので、御紹介したいと思います。
【神宮だより ~神宮の大祓について~】
「水無月(みなづき)の夏越(なごし)の祓(はらへ)する人は千歳(ちとせ)の命のぶといふなり
六月三十日は夏越しの大祓です。神宮では六月・十二月の大祓以外に、『延暦儀式帳』(えんりゃくぎしきちょう)にも記される伝統のままに大祭の前月末にも大祓をおこなひます。
神宮の大祭は祈年祭(きねんさい=二月)、神御衣祭(かんみそさい=五月・十月)、月次祭(つきなみさい=六月・十二月)、神嘗祭(かんなめさい=十月)、新嘗祭(にいなめさい=十一月)ですので、大祓は一月・四月・五月・六月・九月・十月・十一月・十二月の八回。大祭前の大祓は祭典奉仕者の清浄を期しておこなふもので対象は神職と楽師(がくし)に限りますが、六月と十二月の大祓はすべての神宮職員を対象としてゐます。
神職・楽師の大祓がおこなはれるのは五十鈴川(いすずがわ)に臨む内宮第一鳥居内祓所。参列者には榊の枝が頒(わ)かたれ権禰宜によって祓が修(しゅう)されます。その他の職員対象の大祓は神宮司庁と山田工作場及び頒布部(はんぷぶ)でおこなはれますが、榊を頒つことはなく宮掌(くじょう=神宮に於ける神職の職名のひとつ)によって祓が修されます。
また神宮の大祓では人形や茅の輪は用ゐませんが、木綿と麻の布を祓物(はらえつもの)として案上に安んじ地上に立てた幹榊を執って祓います。大祓詞は参集者に読み聞かせる形ではなく、祓所大神(はらえどのおおかみ)に微音で奏上する形。祓物や榊など修祓(しゅばつ)の具は河流に投じられることになってゐます。
往昔には朱雀門前で大祓がおこなはれたことなどから、この大祓には天下万民を祓ひ清める思想があることを思ふと、大祓詞を読む弱肩に感慨一入なこの夏です。」