投稿日:2021年11月11日(木)
先日、濃霧の中を若い子たちが怖がりながらわいきゃい歩いているのをみて、「ああ…若いっていいなあ…」と思ってしまいました。何事にも楽しみを見出せるのは若さの象徴ですね。最近は座礼(正坐)での奉仕が増えて足の筋肉の衰えをひしひしと感じています。権禰宜の佐藤です。
せっかくなので一の酉で撮った写真をお見せします!提灯の灯も相まって幻想的でしたね。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和3年10月25日号掲載のコラム「神宮だより」をご紹介致します。
【神宮だより~祭典奉仕員心得~】
「神宮の祭典、とくに神嘗祭などの大祭では一度に30人ほどの神職が奉仕しますが、その所役の内容は皆それぞれに異なります。そのため同じ祭典でも毎年所役が変はることもあり、現地での習礼はおこなはないことから、祭典の前にはあらかじめ自分の役割や作法・心得をよく勉強し、経験者に教へを請ぶことが肝要です。
また誰がどの所役を担当するかについては、祭典前に「祭典分課表」(所役の内容と担当者の名が浄書された和紙製の冊子)が内宮・外宮それぞれの斎館に備へ付けられ、神職は各自の責任で分課表を確認し、認印を捺すことになってゐます。
分課表には所役の他に、「斎宿前一夜」といふやうに斎館へ参籠する期間が記されてゐます。その期間は所役の軽重によって定められ多くの場合は一夜ですが、殿内のことを奉仕する場合は二夜、式年遷宮の遷御に深く関はる場合には五夜といふものもあります。
神宮の祭典奉仕に関する決まりどとは、明治42年司庁達「祭典奉仕員心得」や昭和9年通牒「斎戒ノ厳修ニ関スル件」などにより明文化され現在もこれを規範としてゐますが、実際に奉仕に当たる神職の間ではかういった規則だけでなく、古代斎宮で使はれた忌詞や、荒木田・度会両氏に受け継がれてきた心得など、神宮の長い歴史の中で培はれた祭典奉仕の伝統が、先人から口伝へに伝へられてきました。
祭典に臨むには緊張感を持って入念な準備をおこなひ、ひとたび斎館に入れば只管に祭典のことだけを考へ、神職たちは奉仕に専念してゐます。」
(広報室・赤尾洋輔)