投稿日:2023年10月22日(日)
去る10月18日㈬、横浜市磯子区にあります神奈川県神社庁にて、神奈川県神社庁主催の祭式研修会が開催され、きたおか出仕と共に行ってまいりました。出仕の本山です。
今回の研修は午前中が祭式作法の基本、午後からは神葬祭についてです。
講師は神社庁祭式講師の小野和伸先生です。
午前中の祭式作法の研修。私は一か月ほど前に寒川神社で行われた祭式作法の研修にも参加したばかりなのですが、繰り返し基本の作法を習うことが本当に大切だなと思いました。
拝(はい)の角度を確認しています。顎を引いてくださいと二人組になった相方さんから指摘してもらいました。
確かに顎を引かないとこうして頭がまっすぐになっていませんね。
二か月続けて研修を受けることができたので、少し疑問だったことも解決スッキリしました。これから七五三の御祈祷が増えてきますので、きれいな祭式で皆様の御祈祷に勤めてまいります。
午後は神葬祭の奉仕について。
神奈川県神社庁の神葬祭の栞の表紙にある言葉を紹介します。
『命絶えてもなお蘇生させたい、という遺族の切実なる願いを酌んで、神職は❝自葬❞の精神を以て、真心込めて奉仕しなければならない』とあります。
神葬祭は、元々は「自葬」という親の葬儀を嗣子が自ら奉仕する形が根本にあるそうです。
古くは子供が親の葬儀を行ったのです。明治初頭に自葬が廃止になることによって、遺族から葬儀の依頼を受けた神職が、遺族に代わって神葬祭を奉仕する形式が定着するのですが、神葬祭を奉仕するからには、神職は自葬の精神に基づき遺族の立場になって真心を込めて務める義務があります。
研修では、いわゆる「お通夜」にあたる「通夜祭」の後に行われる「遷霊祭」の祭式をみなで習いました。
通夜祭でついに蘇生叶わず、肉体から御霊が完全に分離して臨終が確定した御霊は、永遠の家の守護として祭られることになります。遷霊祭では御霊を霊璽(れいじ)と呼ばれるものに遷して留める祭儀です。
日頃の神社での奉仕とは違うこと、初めて見るような作法をならいました。
以前、小野先生の知人のお話で、ご自分の親の遷霊祭の時の若い神職が謙遜してなのだとは思うけれど、自分のような若輩者で御霊を霊璽にしっかり遷すことができたか心配です、というようなご挨拶をされて、本当に残念な思いをしたそうです。
若かろうが経験が浅かろうが関係なく、心から御霊をここにお遷しするのだと確信をもって祭儀にあたるようにと、小野先生の言葉をいただきました。
これは日頃の祭式に対してもまったくその通りだと思いました。これから心を込めてご奉仕していきたいと思います。