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『むすひ 令和6年』より「伊勢神宮の森―宮域林」

投稿日:2023年8月12日(土)


台風7号の接近に備え、幟や看板を一時的に片付けています。「備えあれば患いなし」と被害なく通り過ぎてくれれば良いのですが……権禰宜の牧野です。

 

さて、今回も神社新報社発行の『むすひ』から、数百年単位の周期を見越して整えられております、「宮域林」について紹介いたします。

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伊勢神宮の森―宮域林

伊勢神宮に参拝すると、外宮の森や内宮の周りの山々、参道に現れる巨木などが、心に残る風景の一つになるのではないでしょうか。

そんな神宮の森は、神域・社域・宮城林に分けられます。神域・社域は、文字通り両正宮(りょうしょうぐう)をはじめ諸宮社(しょきゅうしゃ)のある天然林の地域。主に神宮の尊厳を護るため、樹木が育つのに必要な場合を除き、原則として生木の伐採はおこないません。

また、宮城林は第一宮域林・第二宮域林に区別し、管理されています。

木材の確保など

内宮のほとりを流れる五十鈴川の上流にある約5500ヘクタールの宮城林。ここでは、五十鈴川の水源として自然の美しさを保つとともに、将来の式年遷宮を見据え、建物に利用する木材となる木々を育てています。

式年遷宮とは、伊勢神宮で20年に1度、社殿や宝物に至るまですべてを新調して執りおこなわれる最も大事なお祭り。「遷御の儀」を中心に、さまざまなお祭りがあります。今から1300年以上前に第一回の式年遷宮があった時、自然林だった「宮域林」は建物を造る木材を伐り出す「御杣(みそま)山」として定められました。

鎌倉時代後期以降、ヒノキの良材が採れなくなってきて、近隣の山や美濃の山、江戸時代中期からは木曽の森林より提供されるようになりました。ですが現在も、式年遷宮の最初のお祭りである山口祭・木本祭は「宮城林」で執りおこなわれ、最も神聖な「心御柱(しんのみはしら)」はここから伐り出されます。

二百年後のため

実は神宮では大正12年、本多静六(ほんだせいろく)など当時の林学の権威者らを中心に、200年後の式年遷宮での自給自足を目指した「森林経営計画」を定めています。未来のため、式年遷宮を支える木材を100パーセント自給しようというこの取組み。必要とされる木材の中には直径一メートルを超えるものもあり、丁寧に、大切に育てられています。

現在は200年計画の折り返し地点。すべての木材を提供できるようになるのはまだ先になるものの、平成25年に「遷御の儀」が執りおこなわれた第62回式年遷宮の折には、一部ですが約700年ぶりに宮域林からの木材提供が実現しました。

先祖から私たち、さらにその子孫へと、人々の命がつながるように・・・・・・。神宮の森の命は、式年遷宮の心ともつながっています。

 


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