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【神社新報記事】杜に想ふ~禾(のぎ)~

投稿日:2019年11月27日(水)


【暦で見る九星の運勢シリーズ】七赤金星:12月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…東 雑事重なり、忙しい年の瀬となりそうです。小事と思う事でも、一つ一つ丁寧に対応して、きちんと片付けてください。時間が無いからと言って、手を抜くと後日に響く。焦りは禁物」とのことです…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和元年10月14日号掲載のコラム「杜に想ふ」をご紹介致します

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神社新報 杜に想ふ

【杜に想ふ~禾(のぎ)~】

「全国各地に伝はる民話や昔話の伝承に携はる方々が参集する全国大会が明年に石川県で開催されるとのことで、そのお世話をされてゐる知己の方より能登半島に伝はる「あへのこと」をその際にぜひとも紹介したいとの話があり、石川県の能登町を訪ねたのは田の稲が色付き始めた夏の終はりのこと。
「あへのこと」はわが国の重要無形民俗文化財で、近年、ユネスコ無形文化遺産に指定された奥能登地方に伝はる農耕儀礼。家の主人が田圃よりお招きした田の神様を家に御案内する際、玄関の敷居をまたぐことや、御膳に据ゑられた料理の品々の一品ごとを丁重に紹介申し上げるのは、神様は目が御不自由とされることからで、そのおもてなしのは実に丁寧で真摯にして素朴である。私自身も数度、拝見させていただいたことがあるが、今回訪れたのは「あへのこと」を再現するための古民家で、床の間の掛け軸に描かれた稲束を荷はれた田の神さまは、一見して目が御不自由と解るものであった。
親切に御案内をいただいた係員の方に、昨秋、京都で開催されてゐた御即位儀礼を紹介した特別企画展「京都の御大礼」で、江戸時代の大嘗祭で供された稲穂の「控へ」が展示されてゐたことをお話しした。品種改良がされる前、往時の稲穂は籾の先に伸びる「禾」が長いもので、同展の『図録』にも写真が掲載され、特別講演でもとくに紹介されてゐた。その際に思ひ出したことは、私の母方の祖母のこと。祖母が目を傷めたのは田作りでよく働いてゐたからだと言ってゐたことを母親から子供時代に聞かされてゐた。古民家に陳列された現在では使はれなくなった農具を見ながら、近頃は農業も機械化が進み、田植や稲刈りもゴム長靴は履かなくなり、田舎でも腰が曲がった年寄りらしい年寄りを見掛けなくなったとの話に花が咲いた。
子供のころ、苗代での苗取りや田植ゑ、稲刈り鎌での収穫、そして木を梯子状に組んだ稲架けの手伝ひなどをしたお蔭で、学生時代に「古典講読」の講義で『延喜式祝詞』を学んだ際、「手肱(たなひぢ)に水沫画(みなわか)き垂り向股(むかもも)に泥画(ひぢか)き寄せて取作らむ奥つ御年」とはどのやうなととであるかが註釈を読まずとも理解することができた。そして、大学教授の「神居ますが如く」ではなく、「『神坐ますがゆゑに』おこなふのが祭祀」と教へられたことも思ひ出された。米作りのたいへんさと収穫の感謝を合はせて学ぶことができた少年時代の実体験は、いまではありがたく、遙か昔日の忘れ得ぬ思ひ出である。
さて、遠つ御代に始まり室町時代に「神代の風儀をうつす」と記されていまに伝へられ、上御一人が新穀を御親(みづか)ら奉り給ふ、深甚なる饗食の大祀『践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい)』がいよいよ来月となった。「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみづほのくに)」との美称を想ひ、あらためて「三大神勅」を拝しつつ、盛儀を遙かに御代の栄えをお祈りしたい。」

H31・R1九星等早見表


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
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