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【神社新報記事 「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~」富山縣護國神社】
投稿日:2025年10月14日(火)
【暦で見る九星の運勢シリーズ】四緑木星:令和7年11月(各自の九星についてはブログ末尾の表をご参照ください)「吉方…なし 前月よりもさらに運気上昇するでしょう。物事の動きも順調で気分爽快に。余裕が持てて前進したくなりますが、進むことよりもこの運気の持続を考えて。できる限りの内容の充実を」とのことです…権禰宜の遠藤です
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和7年7月14日号掲載の連載記事。「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~」をご紹介致します。
全国の護国神社の宮司さん方が連載する企画で、本年令和7年に大東亜戦争終戦より80年を迎えるにあたり神社新報に継続的に連載されます。
当社が鎮座する神奈川県は、47都道府県で唯一護國神社がありません。各県護國神社にお祀りされている英霊のことについて、当ブログをご覧の皆様に少しでも知っていただく意味でも、できる限りご紹介していきたいと存じます。

全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~
白木の箱とうた日記
富山縣護國神社宮司 栂野 守雄

「風薫る季節、昭和二十年五月十三日、高田豊志命は飛行第二十戦隊陸軍伍長として友軍機とともに台湾宜蘭基地より出撃、沖縄本島西海岸沖に群がる米艦船に抱へてゐた爆弾五発を冷静に命中させ、最後に自ら体当たり攻撃、特攻散華された。
高田豊志命は大正十四年六月一日、父・豊次郎、母・はるの長男として生を享けた。ふるさとである福光町才川七は田畑や山々に囲まれた農村で、冬はとても雪深く、新緑のころになると周囲は青々とした風景が連なり、今でも古き良き時代の面影が残ってゐる。幼き日々、二人の弟、三人の妹たちと一緒に、野山を駆けめぐり、大自然とともに過ごしたことであらう。
優秀であったため、しばらくは地元村役場に勤めてゐたが、昭和十六年十月、陸軍少年飛行兵として、東京陸軍少年飛行兵学校に入校。昭和十九年三月、第十三期陸軍少年飛行兵となり、戦地に赴かれた。やがて南方の戦局が苛烈を極めると、台湾第一八九六八部隊に配属され、「陸軍特別攻撃隊員」となられる。
当時、宜蘭の基地で通信兵をしてをられ、高田豊志命を最後に見送った同じ富山県出身・今村文一氏(千葉県在住)著『わたしの終戦』によると、出撃前、同期三人で写真を撮らうと言ふと、右から同期の辻少尉、高田伍長、永井少尉と三人並んだが、「真中の人が死ぬと言はれるからいやだ」と言って辻少尉と変はった。「昨夕、皆さんと食べた台湾料理はうまかった、元気に帰ってきたらまた食はして」と無邪気に笑はせた。最後に「お世話になりました、行きます」と敬礼をして出撃した。決して「行ってきます」とは言はなかった。
父の豊次郎さんは昭和二十一年一月二十四日、厚生省から受け取った遺品の白木の箱を村葬でも焼かずに、ずっと仏壇にしまってをられた。終戦より三十年、豊次郎さんが八十歳を迎へたとき、つひに白木の箱を開けようと決意。なかから出てきたのは、遺書として残された『うたにつき』—歌集—だった。
和歌七百八十三首、俳句十七句、詩文九篇が書き留められてゐた。表紙には、霞ケ浦上空からの風景が描かれてゐる。そして本文冒頭には
一、一日一首とし、修養の資とす
二、之を以て遺集とす
と朱書きしてある。つまり血書の思ひであったのだらう。
毎日和歌を残すことを志し、厳しい戦中、訓練の最中にあっても、強い決意をもって書き綴られてをり、それはまさに少年精神の結晶。そしてなかには、御両親をはじめ、家族やふるさとを思ひ、懐かしむ歌も数多く詠まれてゐる。
特攻戦死される前、高田豊志命から届いた最後の手紙には、御両親をはじめ兄弟など十三人の方宛に残されたお別れの歌が記されてゐた。
お母さまには「夢にだに忘れぬ母の涙をばいだきて三途の橋を渡らむ」とある。お母さまの愛の深さがひしひしと伝はってくる。
この歌は、終戦五十周年にあたり宮司が補作、牧田明子翁雅楽会長により曲と舞が創作された神楽「いでたちの舞」の元歌となってゐる。当神社にお祀りされてゐる二万八千六百八十二柱すべての英霊のこころをあらはしてゐるといふ思ひから、この歌を使はせていただいた。日々の祭典での神楽舞をとほして、その思ひを継承してゐる。
お母さまの愛情をいだき、三途の橋へと大空高く飛び立ち、若鷲となったみたまは、大東亜戦争終戦より八十年を迎へる今も、爽やかな五月の風にのり、いつまでも変はらないこの美しいふるさとを見守って下さってゐることだらう。
なほ当社では、今回ご紹介した高田豊志命を含め、英霊の遺書等をまとめた『遺芳録』を発刊してゐる。
富山縣護國神社
住所 富山市磯部町1-1
電話 076-421-6957
祭神 二万八千六百八十二柱
例祭 春(四月二十五日)、秋(十月五日)」

















