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【神社新報記事】 「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~飛彈護國神社

投稿日:2025年8月12日(火)


世の中はそろそろお盆休みの方も多いでしょうか?今日は少し涼しいこともあってか、朝からいつもよりお参りの方が多いような気がします……権禰宜の牧野です。

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』令和7年5月19日号掲載の連載記事。「全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~」をご紹介致します。

全国の護国神社の宮司さん方が連載する企画で、本年令和7年に大東亜戦争終戦より80年を迎えるにあたり神社新報に継続的に連載されます。

当社が鎮座する神奈川県は、47都道府県で唯一護國神社がありません。各県護國神社にお祀りされている英霊のことについて、当ブログをご覧の皆様に少しでも知っていただく意味でも、できる限りご紹介していきたいと存じます。

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全国護國神社會連載 わが社の御祭神~勲功・遺徳を次世代へ~

受け継がれる「和」のこころ

飛彈護國神社宮司 田中 宏

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「かつて、民族共和の理想のもと、多くの国民が満蒙開拓団として大陸に渡った。岐阜県においても一万三千もの人々が開拓団として満洲へと渡り、多くの苦楽を経験した。その記憶を今に伝へるべく、地元の学校などで講演活動をおこなふ元開拓団員の下島千恵子さん(91)が強く記憶してゐる人物がゐる。琿春開拓団の団長であった鈴木亨命だ。

飛彈地域の山間僻地である旧大野郡朝日村(現・高山市朝日町)は、人口に比べて農地が狭く、村内の食糧自給すら厳しい状況であった。そんななか、国策として満洲農業移民計画が施行され、朝日村においても分村計画が進められる。当時、浄土真宗大谷派幽渓寺の住職であった命は、彼岸や御戒壇になると聴衆で本堂が埋め尽くされるほどの説教師で、村民の人望も厚く開拓団の団長に任命された。自坊を売り払ひその資金を以て、昭和十五年四月に先遣隊二十五名を率ゐて東満洲琿春県に到着する。命は、現地にて共同生活を始めるにあたり、団員たちに「和合の精神に徹すること」と訓示した。何事もみんなが仲良く「和」をもって話し合へば必ず達成でき、現地住民とも融合できなければならぬと力説したといふ。命は率先して、団員同士はもちろん現地の人たちとも積極的に交流して、争ひの仲裁などもおこなった。

昭和十九年、本格的に個人家屋の建築や土地改良事業が始まり、人口が増加して村は活気に満ちていった。団の経営も軌道に乗り出し、命の念願であった幽渓寺本堂の建設も始まって、すべてが完成の域に達しつつある昭和二十年八月九日の早朝、日ソ開戦による避難命令が突如として下される。

命は団長として、一人の逃げ遅れも出さぬやう、懸命に老幼婦女子を引率して団員を守った。下島智恵子さんは「鈴木団長は小柄ではあったが、大きな心で団員を安心させ、的確な指揮を執ったことで無事に避難することができた」と当時を回想してゐる。

敗戦後、開拓団員は避難民として琿春に戻され、共産党群管理下の収容所で苦しい生活を強ひられた。その過酷さに次々と倒れていく団員を目の当たりにした命は、一人でも多くの団員が日本に帰ることができるやう何度も陳情を試みるが、それも叶はず疲労と栄養不足による体力低下が伝染病の病魔を呼び、病床に伏せってしまふ。

家族親族も次々と病に倒れていくなか、命は昭和二十年十一月二十四日享年五十五で入滅した。最後まで団員の救済を願ひ、常に和合の精神を貫いた命を偲び、朝日開拓団以外の避難民も参加するなかで団葬が執りおこなはれたといふ。

翌二十一年八月に日本への引揚げが決まった時には、十四人ゐた命の親族は三人にまで減ってしまった。からうじて十五歳で帰国した末娘の富枝さんは同じ飛彈地区の同派了宗寺へ嫁ぎ、息子の栂野明秀師が現在その住職を務める。

明秀師は、当社に祀られる祖父亨命をはじめ親族四柱のみたまに慰霊の誠を捧げるため、宗教の垣根を越えて例大祭やみたま祭に参拝される。命の念願であった満洲での幽渓寺再興は露と消えたが、その「和」のこころは今に引き継がれてゐるのである。

辞世の句 最後迄苦楽を共にせんと 誓ひしに 今日あすとは 思はざりしを

 

飛彈護國神社

住所 岐阜県高山市堀端町90

電話 0577-32-0274

祭神 西南の役以降の飛彈出身戦歿英霊六千五百二十五柱

例祭 五月三日、十一月五日」


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
ぜひ早起きした朝やお休みの日にでも、お気軽に当社にお越しください。皆様のご参拝を心よりお待ちしております。