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【神社新報記事】ユネスコ世界無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」

投稿日:2017年1月23日(月)


昨夜は第20回白旗八社会(やしろかい)が開催されました。詳細は後日のブログで…権禰宜の遠藤です。

さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』平成29年1月1日号に、先般ユネスコ世界無形文化遺産に登録が決定した「山・鉾・屋台行事」についての記事が掲載されていますしたので、ご紹介致します。

神社新報 山鉾屋台行事

「【ユネスコ世界無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」】

文化庁は旧臘一日、エチオピア連邦民主共和国で開催されてゐた国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産保護条約第十一回政府間委員会で、日本が提案してゐた「山・鉾・屋台行事」の代表一覧表への「記載」が決議されたことを発表した(既報)。「山・鉾・屋台行事」は、国の重要無形民俗文化財に指定されてゐる三十三件で構成されるが、祭礼に詳しい島田潔國學院大學兼任講師に話を聞くなどして、その中から数件の祭礼について紹介したい。

山・鉾・屋台は、いはゆる「山車(だし)」「楽車(だんじり)」といはれ、神輿の行列に加はることが多い。その淵源は、天皇一台一度の大嘗祭(だいじょうさい)の際に曳かれる「標山(ひょうのやま)」にあるともいはれる。神が依りつくもの、「依代(よりしろ)」と説明されることが多いが、芸能を演じる移動式の舞台、あるいは芸能に用ゐられたり行列に登場したりする道具や作り物が華美に、かつ大きくなり、車に付けられたり、各要素が組み合はされたりしたものとも考へられてゐる。

【八戸三社大祭の山車行事】

神話や歌舞伎の一場面などを題材に、趣向を凝らした山車が毎年作られる。七月三十一日から八月四日まで執りおこなはれる、青森県八戸市の龗(おかみ)神社・長者山新羅神社・神明宮による「八戸三社大祭」で、二十七台の山車が神輿行列とともに合同で巡行。山車の大きさは高さ十メートル、幅八メートル、奥行き十一メートルにもなる。各山車には多くの仕掛けが施され、道幅に合せて横に広がったり人形が動いたりする。また、夜にはライトアップを実施。山伏神楽の系譜をひく法霊神楽や、虎舞などの芸能も見られる。

【土崎神明社祭の曳山行事】

三社大祭と同様、毎年趣向を凝らして山車に芝居や神話を盛り込む。後ろ側に、社会風刺の言葉とそれに関連する人形等が飾られるのが特徴的。秋田市の土崎神明社で毎年七月二十日・二十一の両日におこなはれる例祭「土崎港曳山まつり」で、多い年には三十以上の山車が巡行する。町内で高さが競はれ、明治に入り二十一メートルを超えるものが作られたことも。明治三十三年に電線が引かれたことで高さは制限されたといはれる。

【烏山の山あげ行事】

栃木県那須烏山市の八雲神社で、毎年七月第四土曜を中心とする三日間に亙り執りおこなはれる。六町が毎年輪番で路上に出す大仕掛けの舞台で歌舞伎が演じられ、終はるとすぐに片づけられて次の場所まで運ばれる。各町で若衆制度やかけ声、屋台を中心とした舞台装置が一様でないため、得意な芸題は町ごとに違ふ。「山あげ」の起源は江戸中期、恵みが町の隅々まで行き渡るやうにと土を盛り築山を作ったのが始まり。大きさを競ふうち、当時高級品だった特産の和紙(程村紙)を、竹で組んだ網代に貼って山を作るやうになったとされる。

【魚津のタテモン行事】

タテモンは、高さ約十六メートルの心棒に、八十から九十程度の提灯や雪洞で全体を三角形になるやう飾り付けたもの。富山県魚津市・諏訪神社の八月七日の例祭に伴ふ行事で、タテモンの名は豊漁・航海安全祈願の「奉り物」に由来するとされる。秋田の竿灯に似てゐるが、担がずソリに乗せ、七台が毎年八月第一金・土曜日に曳き回される。

【古川祭の起し太鼓・屋台行事】

毎年四月十九・二十の両日に斎行される岐阜県飛騨市・気多若宮神社の例祭である古川祭は夜明け前に祭りを告げる「起こし太鼓」の大音響で始まる。大きな太鼓の上に乗った二人に男が大きな撥を振り下ろして太鼓を叩く。夜が明けると、神社での神事、古式ゆかしい神輿行列と華麗な屋台の巡行の祭礼絵巻の世界がくり広げられる。力みなぎる若者による”動”の「起し太鼓」と、微笑ましい子供歌舞伎の上演もある”静”の「屋台行列」の対比が、小京都と称される古川の街並みに彩りを添へる。

【鳥出神社の鯨船行事】

三重県四日市市の鳥出神社で毎年八月十四・十五日の両日に執りおこなはれる。豊漁と地域の安全を祈願し、捕鯨の様子を再現してをり珍しい。お伊勢まゐりに来て射止められた親子鯨の慰霊が起源と伝えられ、鯨を見つけてから打ち取るまでの様子がくり広げられる。周辺では四カ所で同様の行事があり、いづれも鯨船と、それに追はれて捕獲される大きな張りぼての鯨が登場。金色で飾られた絢爛豪華な鯨船は幼児を漕ぎ手とし、着飾った小学生たちが銛で鯨を仕留める役を務め、踊りも演じる。

【桑名石取祭の祭車行事】

石取祭は、三重県桑名市の春日神社で毎年八月第一日曜(本楽)と前日(試楽)に執りおこなはれ、社地を清めるために氏子が川石を神社に奉納する。「祭車」は、それに伴ふ山車で、太鼓と鉦のお囃子が激しく打ち鳴らされ、各町内を曳き回される。総数は四十三台で、深夜から打ち始められるお囃子が凄まじく、「日本一やかましい祭り」と称される。

【八代妙見祭の神幸行事】

熊本県八代市の八代神社で毎年十一月二十二・二十三日の両日に斎行される祭りで、巨大な「亀蛇」が特徴的。同神社が、胴体が亀で頭は蛇の玄武に乗る妙見伸の宮とされてきたことに因む。亀蛇は、首が上下に動き、担ぐのに計五人を要する。江戸期から現代に至るまで、造替や修理等を経つつも、その姿は変はらず継承されてゐると考へられる。また祭りで神輿に供奉する九台の「笠鉾」は、上下二段に付く八角形の屋根と一軸しかない車輪が特徴的で、屋根の上に西王母・猩々・恵比須といった人形や、蜜柑・蘇鉄などの植物の作り物がのっており、珍しい。」

 


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