投稿日:2020年5月8日(金)
風がどことなく冷たい今日この頃。快晴なので日中の布団干しなどには最適ですね。権禰宜の佐藤です。
さて、本日は伊勢神宮崇敬会発行の『みもすそ』94号(令和二年春)より、特集「天皇御即位と神宮」を御紹介致します。





御即位の礼を終えられ国内外へ御即位を宣明された天皇陛下。御即位後に初めて行われた御一代に一度の大嘗祭とそれに伴う神宮の臨時祭や両陛下揃っての伊勢行幸啓を振り返ります。
「令和元年五月一日、天皇陛下は践祚され、天皇の位を受け継がれました。
践祚とは位を踏むという意味で、八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉の三種の神器を継承され皇位につかれたことを表します。
皇位継承に伴うさまざまな儀式や行事は「御大礼」と総称され、御一代に一度の特別な祭儀です。
皇室の御祖神天照大御神をおまつりする神宮へも、御大礼に際して陛下より節目ごとに勅使をご差遣になり幣帛が奉られ、大御饌を奉って祈りが捧げられてきました。
御大礼のクライマックスといえ大嘗祭では、皇居東御苑に建てられた大嘗祭宮の悠紀殿・主基殿に、天照大御神をはじめ天神地祇をお招きし、天皇陛下親ら神饌を奉る大祭が執り行われました。
十一月には、大嘗祭を終えられた天皇皇后両陛下が皇祖神をおまつりする伊勢の大宮地へ御親謁あそばされました。
【即位礼及び大嘗祭期日奉告祭】
五月一日、皇位継承の最初の儀式にあたる「剣璽等承継の儀」が皇居宮殿・松の間にて行われました。
皇位のみしるしとされる三種の神器のうち剣と勾玉、国事行為の際に印として用いられる国璽と、天皇の印である御璽を天皇陛下が受け継がれたのです。
即位後初めて国民の代表とお会いになるのが「即位後朝見の儀」です。天皇陛下は「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす」と、天皇となり初めての「おことば」を述べられました。
八日、天皇陛下が親ら賢所・皇霊殿・神殿(宮中三殿)に即位礼及び大嘗祭の期日をご奉告され、神宮や神武天皇陵などに勅使を派遣される儀式が執り行われました。これに関連し、神宮でも十日、臨時祭「即位礼及び大嘗祭期日奉告祭」が行われました。
臨時祭は外宮から。大御饌と奉幣が、内宮でも同様に執り行われました。
奉幣をおさめた辛櫃を持つ神職が先に進み、その後ろに黒い衣冠をまとった勅使、白袿と緋袴姿の黒田清子祭主が続き、小松揮世久大宮司以下神職らとともに正宮へ。天皇陛下の御即位に際し、即位礼と大嘗祭の期日を天照大御神に奉告しました。
【即位礼正殿の儀】
「即位礼正殿の儀」は、天皇陛下が御即位を内外に宣明される儀式です。十月二十二日、皇居宮殿・松の間で営まれました。
この日は祝日となり、朝からすべてのテレビ局が皇居内外の様子を中継。前夜から降り続く雨の中、はじめに「即位礼当日賢所大前の儀」が行われました。賢所は天照大御神をおまつりしているところ。午後一時前、天皇陛下が昇られる高御座と、皇后陛下がお立ちになる御帳台の前には、秋篠宮皇嗣・同妃両殿下をはじめ皇族方が整然と並ばれました。カーンという鉦の音を合図に、参列者が起立すると、高御座と御帳台の御帳が開けられ、両陛下お出ましに。天皇陛下は、古来天皇陛下にしか着装が許されない黄櫨染御袍の御束帯。皇后陛下は髪を大垂髪に結い、御五衣・御唐衣・御裳という、いわゆる十二単をお召しになられています。
いつのまにか雨風が止み、雲間からは日が差し、上空には七色の虹も。安倍首相が陛下の前に進むと、天皇陛下は侍従より「おことば」が書かれた紙を受け取られ、ゆっくりと力強く即位を内外に宣明されました。
即位礼正殿の儀には、日本を代表する方々と、王族はじめ百九十一の国や機関からの代表者など約二千名の参列者があり、両陛下は御即位を披露し、祝意を受ける「饗宴の儀」をお開きになり、食事をともにされました。
【神宮では大嘗祭当日祭を斎行】
大嘗祭は、「御一代一度の新嘗祭」ともいわれ、毎年十一月に宮中で行われる新嘗祭を即位後に初めて大規模に行うもの。約千三百年前、第一回神宮式年遷宮と同じ頃に始められ、至高至聖の「あえのこと」といわれます。
数多くの祭儀からなり、大嘗祭で使う米を栽培する斎田(東西二か所)を決める収穫する「斎田点定の儀」や、その斎田から米を収穫する「斎田抜穗の儀」などを経て、十一月、この為に建てられた大嘗宮の悠紀殿・主基殿にて天皇陛下親ら神饌を奉り、親らも召しあがることで、神々がさらに威力を増され、陛下もその威力をお受けになるというお祭りです。
十一月十四日から十五日にかけて行われる「大嘗宮の儀」に先立ち、八日には「神宮に勅使派遣の儀」が行われました。大嘗祭を行うことを奉告し、弊物を供えるために勅使を遣わす祭儀です。
大嘗宮の儀当日の十四日、神宮では黒田祭主はじめ小松大宮司以下神職の奉仕のもと、「大嘗祭当日祭」が行われました。まず外宮で午前四時から大御饌が、七時から奉幣が執り行われました。常の勅使参向とは異なり、勅使は黒い束帯を着装し、帯剣して威儀を正しています。参進中は帯剣をし、正宮の御垣内では「解剣(げけん)」といって剣を外すならわしです。正宮では勅使が陛下から託された「御祭文(ごさいもん)」を読み上げた後、大宮司が祝詞を奏上。この日の夜に大嘗祭が執り行われることをご奉告しました。正宮のあと第一別宮の多賀宮、つづいて内宮と第一別宮の荒祭宮で同様の儀が斎行されました。
神宮では同日から同月二十日にかけて、別宮・摂社・末社・所管者のすべてで大御饌と奉幣の儀を行いました。
次回に続きます。
















