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神社新報コラム 【刀剣は語る~その伍拾漆~根津神社の長光】

投稿日:2025年8月26日(火)


9月の初旬に2泊3日で仙台秋保温泉旅行を予定しておりましたが諸事情によりキャンセルとなりました。このままだと休暇を無駄にしてしまうので、代わりに群馬みなかみ温泉まで1泊2日でひとりぼっちの旅に出ます・・・権禰宜の宇多です。

 

さて、本日は神社界唯一の業界紙であります、『神社新報』令和7年4月28日号掲載のコラム【刀剣は語る~その伍拾漆~】をご紹介致します。

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根津神社の長光

「後世に名を遺す。刀工にとってそれは、銘入りの名刀を残すことでせうか。鎌倉時代後期の備前国(岡山県)長船派の長光は、古刀期(慶長年間以前)において在銘の作刀がもっとも多い刀工の一人。名刀を後世に遺した刀工です。

東京都文京区・根津神社所蔵の銘入り長光を東京国立博物館で拝見。奇遇にも初めての展示にめぐりあひました。

まづは卍紋が印象的な拵に目がいきました。宝永三年(一七〇六)、徳川五代将軍・綱吉が根津神社の遷移大造営を奉祝し、太刀とともに奉納した拵です。卍紋は根津神社の社紋。金梨子地に際やかな卍紋の拵からは格の高さが伝はってきました。

長光といへば、国宝「大般若長光」のやうな刃文が複雑に交じり合ふ華やかな作風が知られます。「大般若長光」といふ名は、この太刀が室町時代に六百貫(五千万円相当)と評価され、それが六百巻(五千万円相当)と評価され、それが六百巻からなる大般若経に結びついたものです。当時すでに格段の価値を得てゐました。その一方、根津神社に奉納された銘長光は備前刀らしい青黒い地鉄に、直刃の刃文がずっと入る美しい太刀。すっきりとした直刃の一振を目の当たりにすると、その出来栄えから技術の高さが窺へます。

長光が活躍した時代は、元寇といふ異国の侵略に国が大きく揺さぶられてゐました。これまでにない手ごはい外敵に対抗するため、より強靭で、実用性の高い刀を作ることに力を注ぎ、折れにくく切れ味の鋭い日本刀の特性をさらに極めていきます。そして、実用性だけでなく、刃文の華やかさにも意を注ぎ、武人の誇りとなるやうな美しさをも持ち合はせる名刀を長光は仕上げたのです。

都心でありながら七千坪といふ広大な根津神社の境内は、楼門・透塀・権現造りの社殿などが建ち並び、宝永の大造営を偲ばせます。関東大震災や戦災を乗り越え、江戸の華やかさと威厳を今に伝へます。

五代将軍・綱吉は、天下普請といはれるほどの宝永の大造営をなぜおこなったのでせうか。それは甲府藩主・綱重の子である家宣を養嗣子として次の六代将軍に定めたため、家宣の生誕地である現在地に産土神である根津神社を遷したからでした。自身ではなく、次世代のために大造営をおこなったのです。

刀工の長光も長船派の祖・光忠の子とされ、長船派を日本刀の最高峰の地位に導いた刀工です。次の徳川将軍に就く家宣の産土神に捧げた一振は、流派の隆昌の基礎を築いた刀工だからこそ選ばれたのかもしれません。後世に名を遺すには、流派の継続も大切なことであったのです。

根津神社

祭神=須佐之男命・大山咋神・誉田別命

鎮座地=東京都文京区根津1-28-9

電話=03-3822-0753」


白旗神社ホームページへようこそ。当社は古くから藤沢の地に鎮座する古社で、相模國一之宮寒川神社で有名な寒川比古命と歴史上のヒーロー・源義経公をお祀りしています。寒川比古命は厄除け・方位除けの神様として知られます。また武芸、芸能、学問に優れ、才気あふれる源義経公は、学業成就、社運隆昌などのご神徳があります。境内には、悠久の歴史を感じる史跡が多く、四季を感じられる緑豊かな自然もあります。
ぜひ早起きした朝やお休みの日にでも、お気軽に当社にお越しください。皆様のご参拝を心よりお待ちしております。