投稿日:2016年12月14日(水)
学生時代の下宿が、五十鈴川にほとり、御塩浜の近くにありました。権禰宜の遠藤です。
さて、今回は伊勢神宮崇敬会だより「みもすそ」より、神宮祭儀見聞録⑤ 御塩殿祭(みしおどのさい)の記事をご紹介致します。
「【神宮祭儀見聞録⑤ 御塩殿祭(みしおどのさい) 十月五日
御塩のうるわしい奉製と塩業の発展を祈る
神宮の諸祭典に用いる御塩(みしお)を焼き固めるにあたって、二見町に鎮まる御塩殿神社で行われます。
夏の土用に、海水を御塩浜に引き入れて濃い鹹水(かんすい)をつくり、それを御塩焼所で荒塩に焼いて御塩殿に保管されてきましたが、神嘗祭(かんなめさい)を前に、この日から数日掛けて焼き固め、堅塩に仕上げるのです。
午前10時、全国から塩業関係者らが参列する中、祭儀が始まります。御塩殿の向かいにある祓所で、神饌、祭員、参列者のお祓い、お清めの後、祭員が御塩殿神社前の祭場に着き、神饌をお供えして祝詞が奏上されます。
その内容は、神宮の諸祭典にお供えするため、御塩浜の塩水を汲み、御塩山の木を燃やして荒塩に焼きました。今日から堅塩に焼きますので、どうか無事でうるわしく奉製できますように。さらには塩業に関係する人々もお守りください、というもの。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)や拝礼など神前での祭儀が終わると、権禰宜が御塩殿へ入り、火鑚具(ひきりぐ)で忌火(いみび)を起こしてかまどに火を入れ、予め納めてある荒塩を焼き固めます。
焼き固められた御塩は神嘗祭からの諸祭典に奉られます。」