投稿日:2016年5月25日(水)
このたびの熊本地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、未だ避難所生活が続いている方、不便な生活を強いられている方々にお見舞い申し上げます。権禰宜の遠藤です。
さて、神社界唯一の業界紙であります『神社新報』5月23日付に、テレビなどではあまり報道されない神社の被災状況や、神社界における支援の取組みについての記事が掲載されていましたのでご紹介致します。


「【熊本地震 発生から一カ月 復興に向け諸団体が活動】
四月十四日に発生した「平成二十八年熊本地震」は、一カ月を経てもなほ余震が続いてゐるが、神社関係では神社本庁の田中恆清総長、神道政治連盟の長曽我部延昭会長が見舞・視察のため現地を訪れてゐるほか、神道青年全国協議会(長友安隆会長)、全国氏子青年協議会(鷹野尚志会長)などの活動においても、支援物資の搬送から、現地での復興支援活動へと転じてゐる。
【田中総長が阿蘇神社へ 震災の被害状況を視察】
神社本庁の田中恆清総長は五月十三日、熊本地震で大きな被害のあった熊本県阿蘇市の阿蘇神社(阿蘇治隆宮司)と益城郡益城町の木山神宮(矢田吉定宮司)とを視察した。
阿蘇神社ではこの度の震災で、二百年近い歴史を持つ三棟の神殿が損壊し、拝殿と、同神社の象徴とも言はれる楼門とが倒壊。斎館や授与所、神幸門と還御門、灯籠や玉垣などにも被害が見られた。
田中総長は午前十一時過ぎに到着し、境内の仮設テントで修祓(しゅばつ)をうけたのち、池浦秀隆権禰宜の説明を受けながら被害状況を視察。引き続き社務所で阿蘇宮司に見舞金を贈呈した。
被害のあった同神社の神殿三棟と三基の門は、いづれも国の重要文化財に指定されてゐる。現在は被害状況の検査などを終へ、再利用可能な部材を取りながら解体工事をおこなふための準備中で、全体の復旧には十年ほどが見込まれるといふ。
続いて田中総長は木山神宮を訪れ、社殿解体などの復興支援をおこなってゐた神青協の会員らを激励した。
なほ田中総長がこのたびの震災発生後に熊本県を訪れるのは、四月二十八日に見舞金贈呈の為県神社庁を訪問したのに続き二回目となる。
【長曽我部神政連会長が佐賀・熊本の神社庁へ】
神政連の長曽我部延昭会長が五月九日、熊本地震で被害のあった佐賀・熊本の両県神社庁を訪れて見舞の意を表した。
長曽我部会長はまづ佐賀市の佐賀県神社庁を訪問し、東正弘庁長に見舞金を贈呈。神政連県本部の徳久俊彦本部長と永代龍三郎副本部長も交へ、県内神社における被災状況の報告を受けたほか、災害への備へや発生時の対応等について意見を交換した。
続いて熊本市中央区の熊本県神社庁を訪れた長曽我部会長は、宮﨑國忠庁長に見舞金を贈呈。県内神社の被害や神道青年会等による支援について説明を受けるとともに、復旧に向けた課題などに関して宮﨑庁長や坂本泰彦副庁長、坂本杲神政連県本部長などと意見を交はした。
同神社庁を後にした長曽我部会長は、坂本県本部長の案内のもと鳥居や灯籠の多くが倒壊した同区の藤崎八旛宮(岩下忠佳宮司)に参拝。岩下宮司、岩下通弘権宮司から震災発生時の状況などを聴取した。
また熊本城の石垣崩落により社務所・参集所が全壊した同区の熊本大神宮(宮司=岩下権宮司)を視察。同神宮では、熊本城の石垣が国の特別史跡に指定されてゐる関係から、文化庁による調査完了までは崩れ落ちた石等を撤去できず、復旧作業等が難航してゐることなどの説明も受けた。
【木山神宮で瓦礫撤去など 神青協 九州の会員らが集ひ】
神青協では五月十二・十三の両日、熊本地震で社殿が全壊した木山神宮で復興支援活動を実施し、会員や地元住民など約八十人が参加した。
同神宮は一連の地震でとくに大きな被害が見られた同町の中心部に位置。本殿と拝殿、楼門、境内社、社務所などがすべて倒壊し、鳥居、灯籠、記念碑、狛犬、石垣等の境内施設も全損する深刻な被害に遭った。
神青協では四月二十六日におこなはれた定例総会後の熊本地震対策委員会で、現地での復興支援の皮切りとして同神宮での作業をおこなふことを決定。現地では大規模な受け入れ態勢を整へることが困難なこともあって、同会役員と九州地区の会員を中心に実施された。
作業は拝殿の解体と境内施設の瓦礫撤去が中心で、地元の業者の協力で重機も使はれた。二日間とも好天に恵まれたこともあり、当初の予定よりも早く作業を終へ、二日目には被災神社視察のために熊本入りしてゐた田中恆清神社本庁総長から激励があった。
同神宮では本殿の文化的な価値も考慮し、同町の教育委員会などからの意見を参考にしつつ解体と再建とを進めるといふ作業に参加してゐた中村誠男総代長は「この神社は地域の守り神。時間がかかるとしても必ず元に戻したい」と語ってゐる。
【熊本の二社で復興支援 全氏青 鷹野会長など参加し】
全国氏青協では五月十四・十五の両日、熊本地震で被災した熊本県阿蘇郡西原村の白山姫神社(緒方宏信宮司)と上益城郡嘉島町の高田八幡宮(井崎宗利宮司)で復興支援活動をおこなひ、九州を中心とする会員約五十人が参加した。
初日、鷹野会長をはじめ会員らは集合場所の阿蘇熊本空港で結団式を実施。同行した宮﨑國忠熊本県神社庁長が今回の活動をはじめとする支援活動への謝意を語った。
その後、会員らは二手に分かれてそれぞれの神社に向ひ、社殿の解体などに取り掛かった。
三十段ほどの石段が設けられた小高い丘に鎮座する白山姫神社では、本殿が半壊し、拝殿と幣殿が全壊。丘を覆ふ石垣が崩落し、鳥居や灯籠、玉垣が倒壊した。作業は崩落した石垣の撤去と拝殿の解体が主だったため、重機を中心に少人数でおこなはれた。境内の裏側が山に面してゐるため、今後は梅雨を前に土砂崩れ対策を急ぐといふ。
また高田八幡宮は本殿と拝殿が全壊したが、参道や境内が狭く使用できる重機も限られたため、約三十人が人力で社殿を解体。同会会員がすぐに解体に取り掛かれるやう、あらかじめ氏子五十人が作業をおこなってゐた。井崎宮司は同会の支援への謝意を表しつつ、同じく大きな被害のあった氏子の早期復興が必要であると語ってゐる。
【余震なほ続き】
熊本地震は五月十七日現在で、震度一以上の地震が千四百七十三回観測されてゐる。国の地震調査研究推進本部地震調査委員会による十三日付の評価では、「熊本県から大分県にかけて、今後も最低二カ月程度は、震度六弱以上の揺れに見舞はれることも否定できない」とされてゐる。
神社本庁では熊本地震発生直後から神社における被害状況の把握に努めてゐるが、五月十五日現在で熊本県で百件、大分県で九十九件をはじめ福岡・佐賀・長崎・宮崎の各県を加へ計二百六十四件の被害報告を確認してゐる。このうち、社殿等建物への被害があるものは百十三件に上ってゐる」
















